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2006年6月10日 (土)

「公民」(中3教科書)

新しい社会「公民」

 この間(6月4日)の話が気になって、手近のところで、中3の子どもの教科書(公民)を見てみた。
 本文201頁のうち憲法に関する記述は37頁(27~64頁)あった。

99条に関する記述は確かにない

 確かに、残念ながら、99条についての直接の記述は見当たらなかった。ただ、99条は当然のことを念のために確認したものだと説明されることもあって、いわゆる憲法の教科書でも余り詳しく触れられていない傾向がある。実質的に触れられているかどうかが問題だ。

しかし憲法が権力に対する命令である点は書いてある

 この教科書には、次のような記述がある。

(前記教科書の抜粋)
 「人権とは、人が生まれながらにしてもっている人間としての権利のことです。人間は、個人として尊重され、自由に生き、安らかな生活を送ることができなければなりません。それを権利として保障したのが人権(基本的人権)です。」
 「人権の保障が宣言されるまでには、人々の長年にわたる努力がありました。国王などの権力者の支配とたたかい、自由を勝ち取っていきました。とくに近代市民革命のときには、『人間は生まれながらに自由と平等の権利をもっている』という思想が、革命を成功させるうえで大きな力になりました。市民革命ののちにつくられた人権宣言や憲法では、人権が保障されました。」
 「日本国憲法は、戦前の天皇主権を否定して国民主権の原理を採用し、人権の保障をいちじるしく強化しています。また、多くの犠牲を出した戦争と戦前の軍国主義の反省にもとづいて、戦争を放棄(憲法第9条)して平和を強く希求しています。」
 「人権の保障は、まず第一に国家に向けられています。国家に対して、個人を尊重して自由な活動や幸福で平和な生活を実現することを要求しているのです。いっぽう、国家は、個人の自由を侵害してはならず、個人の生活を豊かにする政策をおし進めなければなりません。」
 「戦前には、警察官が権力的な捜査活動を行ったり、拷問による取り調べを行ったりすることがありました。そこで、日本国憲法は、犯罪捜査にあたって権力の乱用がないように、被疑者・被告人の権利を保障しました。」
 「・・・、国家が、『この意見はよくない』と決めつけて、意見の発表を禁止したら、民主主義はこわされてしまいます。
 「憲法に義務の規定が少ないのは、憲法が国民の権利を保障する法だからです。」

 この教科書は基本はおさえている。「憲法」が権力に対する命令であるという観点からすると、表現が淡泊であいまいなので、分かり難いことは間違いない。「憲法は国家権力の行使を制約する規範です」ぐらいは言って欲しかった。教科書の記述を補う言葉が必要だろうと思った。
 率直な感想を記述すると、この教科書を使う先生自身が憲法の意義を理解し、言葉で補えば、使えると思った(これが大変なんだろうけど)。

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