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2006年6月19日 (月)

アメリカによる押しつけ憲法「改正」

アメリカによる押しつけ憲法論はいずこ?

 自民党などは、日本国憲法がアメリカによる押し付け憲法だから自主憲法を制定するんだということを最近余り言わなくなった。
 何故だろう?
 それは、自民党などが提案しようとしている憲法9条2項の改悪が、アメリカによる押しつけ憲法改悪であるという認識(事実)が徐々に広まり、矛盾した主張はさすがに言いにくくなったと見るのが正しいところだろう。

警察予備隊は何故できた

 そもそも遡れば、自衛隊の前身である「警察予備隊」ができたことからして、日本にあるアメリカ軍基地を守るためだった訳だ。
 この点は、多くの文献が指摘していることなので、いまさらだが、今読んでいる「憲法論文選」(岩波書店)の丸山眞男氏の「憲法第九条をめぐる若干の考察」では、「昭和25年6月の朝鮮戦争勃発直後に、ご承知のように『警察予備隊令』が総司令部の覚え書によって、いわゆるポツダム命令として出た訳であります」と指摘されている(324頁)。

「アーミテージ報告」(2000年10月11日)

 最近の顕著な例がある。
 通常「アーミテージ報告」と呼ばれる「米国防大学国家戦略研究所」(INSS)の特別報告書「米国と日本:成熟したパートナーシップに向けて」は、内政干渉のオンパレードのような文章で、アメリカの本音をかいま見ることができて興味深い。特に、下記の記述は、かなり露骨である。

 日本が集団的自衛権を禁止していることは、同盟間の協力にとって制約となっている。この禁止事項を取り払うことで、より密接で、より効果的な安全保障協力が可能になろう。これは日本国民のみが下せる決定である。

 およそ、独立国に対するメッセージではない。アメリカにとって日本は未だに植民地なのかと思わせる内容である。最後の一文など、当然のことをわざわざ付け加える意味深長な言い回しがいやらしい。
 こういう干渉に対して毅然とした対応をとることができずして独立国と言えるのだろうか。

「九条が日米同盟関係の妨げ」(アーミテージ米国務副長官発言)

 それほど古い話ではないので、覚えている人もいるだろう。 2004年7月21日、国務省でアーミテージ米国務副長官と会談した中川秀直自民党国対委員長が、曝露してしまった。
 アーミテージ米国務副長官が、中川氏に対し、九条が日米同盟関係の妨げになっている」と述べたという。
 当時、新聞に大きく報道された。
 しかも、アーミテージ米国務副長官は、「米国は日本の安保理常任理事国入りを強く支持しているが、常任理事国は国際的な組織の中で軍事力を展開しなければならない役割がある。それができないと常任理事国入りは難しい」とまで踏み込んだというのだから、驚くべきものがあった。
 この発言は、内政干渉であるとの国際世論の批判を受け、その後撤回はされたものの、忘れてはならない象徴的な出来事であった。

「憲法9条は検討されるべきだろう」(パウエル米国務長官発言)

 しかも、その舌の根も乾かないうちに、2004年8月12日、パウエル米国務長官が、日本の記者団に対して、

 米国は日本が安保理の常任理事国になるために支援してきた。日本には憲法9条についてとても強い思い入れがある。日本にとっての重要さと9条がある理由はよく理解している。しかし、同時に日本が国際社会で十分な役割を演じ、安保理でフルに活躍する一員となり、それに伴う義務を担うというのであれば、憲法9条は(現状のままで問題がないかどうか)検討されるべきだろう。

などと述べたというのだから、はっきり言って日本はなめられている。

憲法9条「改正」はアメリカの意思-そうではなく我々日本人一人一人が自分の問題として考える必要がある

 以上は、有名な事件を拾ったに過ぎない。
 しかし、これだけでも、日本の再軍備がアメリカの意思によるもので、憲法9条の「改正」が集団的自衛権の行使を求めるアメリカの要求に基づくものであることはかなりはっきりしているのではないか。
 そして、アメリカの世界戦略をきちんと見据えた場合、アメリカが何故日本の集団的自衛権の行使を求めているのかを理解した上で、日本がどういう立場をとるのかを我々日本人一人一人が真剣に考えなければならないということなのではないだろうか。

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