第2次大戦後アメリカはWARはやっていない?(2)ベトナム戦争
ベトナム戦争の発端
恥ずかしながら、今ごろになって、戦後アメリカの起こした戦争について、勉強している。
ベトナム戦争について、改めて調べて見ると、アメリカの北ベトナムに対する本格的な攻撃が始まったのは、「トンキン湾事件」がきっかけであり、この際(1964年8月7日)、上下両院で事実上の宣戦布告となる「トンキン湾決議」が可決されている。
外務省のHPでも、「1964年8月に発生したトンキン湾事件は、米海軍艦艇と北ベトナム海軍魚雷艇の交戦事件で、ベトナム戦争の発端となりました」と書かれている(http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/honsho/shiryo/qa/sengo_04.html)。
トンキン湾事件がきっかけとなってベトナム戦争が本格化したことは、間違いない。
トンキン湾事件
トンキン湾事件とは、8月2日にトンキン湾をパトロールしていたアメリカの駆逐艦「マドックス」が、南ベトナム艦艇と間違えられて、北ベトナムの魚雷艇の攻撃を受け(反撃したマドックスの損傷は軽微)、4日にも再度攻撃されたことに対する報復として、アメリカ軍が北ベトナムの爆撃を行ったというものである。
1964年8月7日には、米上下両院で事実上の宣戦布告となる「トンキン湾決議」が可決され、ジョンソン大統領への戦時大権を承認、アメリカ軍のベトナムに対する本格的介入が始まった。アメリカ連邦議会は、SEATO(東南アジア共同防衛条約)に基づき、当事国を援助するため武力行使を含めた手段をとるように決議した。
アメリカ国防省は、集団的自衛権の行使であり、空爆は北ベトナムの侵略を阻止するために必要だと説明した。
トンキン湾事件は謀略
しかし、ニューヨーク・タイムズのニール・シーハン記者が、ペンタゴン・ペーパーズと呼ばれる機密文書(約7000ページ)を入手し、1971年6月13日、トンキン湾事件はアメリカによって仕組まれたものだったことをニューヨーク・タイムズ紙上で暴露した。
さらに、1995年には、ロバート・マクナマラ国防長官(当時)が、「北ベトナム軍による二度目の攻撃はなかった」ことを著書で暴露した。
しかも、トンキン湾にいた駆逐艦は、実は北ベトナムの領海を侵犯しており、しかも南ベトナムの軍艦とともに北の行動をスパイする秘密行動に従事していたとも言われている。
ベトナム戦争はWARではなかった?
そうすると、アメリカは、虚構の事実を創り出してまで、自らの「戦争」を「集団的自衛権」の行使と称して、突き進んでいったということになる。
WARではないとし、「自衛権の行使」を口実に、ベトナム戦争を本格的に開始したということである。
「アメリカは第2次大戦後WARはやっていない」というのは、もちろん痛烈な皮肉でもある。
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