強行採決
今日は、日曜日である(当たり前だが)。少しのんびりと、あちこちブログをおじゃましている。
前から気になっていた「らんきーブログ」さんの「安倍政権のこれまでの問題点いろいろ」を改めて拝見した。(「強行採決」の部分だけをテキストで貼り付けさせて頂いたが、詳細は「らんきーブログ」さんの方でどうぞ)
1.強行採決
1)改正教育基本法の強行採決
慎重審議を望む多くの国民の声を無視
2)19年度予算案の強行採決
政治と金の疑惑に十分な説明をしないまま審議打ち切り
3)国民投票法案の強行採決
慎重審議を望む国民の声を無視し、スケジュール優先
4)在日米軍再編特措法案の強行採決
3兆円の国民の税金が何に使われるのか不明のまま強行採決
5)少年法改正の強行採決
小学5年生でも少年院送りの法案の問題点を十分審議しないまま強行採決
6)更生保護法案の強行採決
1週間前の少年法改正の強行採決の事態を収拾せず強行採決
7)教育三法の強引採決
いいなりの教師と教育委員会、ひいてはいいなりの国民を作るための教育関連法も十分な審議の無いままに・・・。学校教育法、地方教育行政法、教員免許法の改正。
8)社保庁改革法案の強引採決
約5千万件の国民の年金納付記録の対象者が不明というミスなど、社保庁のミスをそのまま、そして罪を擦り付け、審議も十分にしないまま、またも強行採決
9)年金時効特例法案(あるいは消えた年金幕引き法案^^)の強引採決
4時間だけの審議で強行採決。形だけの法案で国民をごまかし、早く年金問題の幕引きを図りたい政府の意思の表れ
10)イラク特措法案の強引採決
11)改正国家公務員法の強引採決
委員会での採決を省略して本会議に上程するという掟破りの「荒業」を使った、別名、「天下り推進法案」との異名でお分かりのザル法
すごい。これだけ強行採決を立て続けにできた内閣が過去にあっただろうか。安倍内閣誕生が2006年9月末頃だったから、この短い間に、よくぞこれだけできたものだと改めてつくづく感心する。
どれもこれも、問題法、悪法ばかりだが、特に、第2の憲法とまで言われた「教育基本法」の改悪、日本国憲法改悪のための悪法=国民投票法の強行採決は、めちゃだ。
きちんとデーターを整理しているわけではないので、印象だけで物を言うけど(概ね当たっていると思うけど)、「法案が提出される→国会審議の中で問題が明らかになる→世論が『成立を急ぐ必要はない』という方向に傾く→強行採決というパターンが定着したのではないか。野党が反対しているというより、国民の多くが慎重審議を望んでおり、野党がその国民の意識を代弁して早期成立に反対している中で採決を強行する。これこそ、国会における数の横暴である。「拙速」である。
しかも、どれを見ても、国民の基本的人権が脅かされかねない重大な論点を含んでいる法律ばかりである。急ぐ必要はないどころか、国民の意見を十分に聞き、国民合意の下で修正を重ねながら、進めて行くべきテーマばかりであった。
とりわけ、教育基本法は60年の長きの間、第2の憲法と言われてきた法律であった。「改正」する必要が本当にあるのか疑問だとする多くの国民の意見を無視するように強行採決された。
国民投票法は、60年の長きの間、存在しなかった投票法を作成するのだし、国民が権力を縛るための憲法に関する意思を明確にするためのものなのだから、最重要法である。国民の意思をきちんと問うための手続はどうあるべきかを時間をかけて議論すべきは当然であった。参議院での18もの付帯決議は異常である。
国民の意思を反映しない内閣、その内閣の母体となっている政党(議院内閣制、政党政治だから)にいつまでも好き放題させていては、主権者国民の名がなく。名がなくだけならいいが、主権が転倒・逆転する。「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものてあつて、その権威は国民に由来」(言うまでもなく憲法前文)するのだが、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」(憲法12条)のである。
主権者国民の意思と国会議員の意識との間にズレがある。この総体としてのズレは、国民の意思を代弁する意識、国民の利益を代弁する意識が希薄な議員が多数存在するからにほかならない。選挙は、このズレを解消して、国会を真に国民の意識を反映する機関に是正する機会である。
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コメント
おはようございます。
9月10日の所信表明に対する質問が始まる直前に退陣をしたこの首相は、これまでどのくらい”天からの×”を受けるようなことをしてきたのか? 強行採決をどのくらいしたのか?、と検索していて、このブログに出会いました。
彼の強行採決した重要法を整理してくださったこと、ありがとうございます。
確かに、すごいですね。きちんと、この意味とその影響をシュミレーションしておく必要があるように思いますが、そのような憲法学者は存在するのでしょうか?
投稿: 黒坂三和子 | 2007年9月23日 (日) 06時02分
黒坂さん、コメントありがとうございました。
書きたいことは山ほどあれど、現実に書き込むまでになかなか至らず。結果、ポツポツとですが、今後ともよろしくお願いします。
投稿: 坪田 | 2007年9月23日 (日) 12時26分