2026年1月15日 (木)

「越前市情報公開制度の見直し」に関する意見書

2026年1月13日

越前市 総務部人事・法制課御中

市民オンブズマン福井

 

「越前市情報公開制度の見直し」に関する意見書

当会は、主に福井県内において、地方公共団体の情報公開制度の継続的な改善

を図る事を活動の一環としている市民団体です。

 

当会は、これまで福井県内の全ての地方公共団体の情報公開制度を調査するため、貴市に対しても情報公開請求を行ってきました。

当会の県内一斉調査や訴訟等の活動により、情報公開制度が改善されてきたことは、当会の自負するところであり、さらに、過去32年間に及ぶ全国市民オンブズマン連絡会議の活動も然りです。

 

さて、貴市は、2025年12月15日、「デジタル時代に対応する新しい情報公開制度(素案)(以下、「素案」といいます。)を発表しました。

しかし、「素案」のとおりに見直しがなされた場合、越前市民等以外の市民(以下、「市外者」といいます。)による情報公開請求は著しく困難になります。当会が行ってきた福井県内の全ての地方公共団体に対する一斉調査のための情報公開請求も、費用の高騰により断念することになりかねません。

 

当会は、今回の制度見直しによって、越前市の情報公開制度が改悪され、継続的な改善がなされなくなる危険があるのではないか危惧しているところです。

 

また、貴市は、「素案」に対して、パブリックコメントを募集しています。

ところが、パブリックコメントの応募対象は、越前市民等に限定されています。「素案」による見直しが実際に行われた場合に、その影響を最も被るのは「市外者」です。それにもかかわらず、「市外者」がパブリックコメントの応募対象から除外されるのであれば、パブリックコメント募集の意義を損ないます。

少なくとも「素案」に基づく見直し前に、パブリックコメントの募集対象を限定することなく、広く意見を募るべきです。

 

なお、当意見書は公開の予定です。

 

 1「素案」の「2 市外の方からの手数料の徴収」について

(1)見直しの内容

 「素案」によると、「越前市情報公開条例」(以下、「現条例」といいます。)

17条を改正し、市外の請求者には、請求手数料、及び公開時にコピー代の実費に加えて開示文書1頁当り100円の実施手数料(以下、「手数料等」といいます。)を徴収するとしています。

 

(2)情報公開請求に対応する事務についてのみ時給換算した手数料を請求する根拠がないこと

貴市が、紙、オンライン申請とも国基準(300円、200円)の10倍の「手数料等」を設定したのは、情報公開に伴う職員の労力を時給換算した金額であると報道されています。

しかし、情報公開請求に対応する事務も各所管に於ける所掌事務の一つです。貴市が、「その他の事務」については、時給換算した手数料を請求していないにもかかわらず、情報公開請求に対応する事務についてのみ時給換算した「手数料等」を請求するとする根拠はありません。

 

(3)請求者を区別しない現条例5条の趣旨に反すること

「現条例」第5条は、「何人も、この条例の定めるところにより、実施機関に対し、公文書の開示を請求することができる」と定めています。

「現条例」5条が、「何人も」公文書の請求ができると定め、請求者を限定していないことは、全国の市民からの情報公開請求に社会的意義を認めたからにほかなりません。

そうである以上は、その運用にかかる経費は基本的に貴市が負担するべきです。その「手数料等」を「市外者」にのみ負担させる「素案」は、請求者が市民等であるか否かを区別していない「現条例」第5条の趣旨を大きく後退させるものです。

 

(4)「市長が認める場合」が不明確であること

「素案」は「市外からの請求であっても、報道機関からの請求など、特別な対応が必要と市長が認める場合は、市民等と同様に、請求手数料と実施手数料の市外者加算は徴収しません。」として、「手数料等」の負担について例外を認めています。

しかし、「特別な対応が必要と市長が認める場合」とはどのような場合なのか、また、どのような手続を経て「特別な対応が必要と市長が認める場合」が認定されるのか不明確です。市長による恣意的判断を可能とする懸念があります。

 

例えば、当会は、2016年7月、県内9市長の交際費についての情報公開の一斉調査を行いました。その一環で、当会は、同年7月29日、貴市に対して「越前市長の2015(平成27)年度市長交際費(267件)について、支出内容(交際費相手方など)を記載した資料」の開示請求をしました。

その際に、当会は、貴市に対して、開示資料の写し13枚分として130円(コピー代1枚10円)を納付しました。

仮に、「素案」のとおり条例が改正され、「特別な対応が必要と市長が認める場合」に該当しないとされた場合、当会が負担する費用は(紙申請であれば)、「3,000円+1,300円」になります。実に約33倍もの「手数料等」を負担することになります。

 

(5)問題になっているのは営利目的の大量請求

従来から問題になっているのは営利目的の大量請求です。

当会も、営利目的の大量請求に限定して相応の「手数料等」の負担を求めるのであれば、その趣旨を理解することはできます。

しかし、営利目的の大量請求であれば、越前市民等であれ「市外者」であれ相応の「手数料等」を負担させるべきであり、越前市民等と「市外者」とを区別する根拠はありません。

 

2 情報公開制度の活用が求められていること

 貴市の2024(令和6)年度情報公開請求の実績を見ると、個人が20件(市内12.市外8)、法人その他団体が36件(市内16.市外20)と、極めて低調です。このように、現状では、情報公開請求に対する事務が過大な負担になっているとは考えにくい状態です。したがって、情報公開に伴う職員の労力を軽減するために「手数料等」の負担を求めるという「素案」の立法事実は存在しません。

情報公開制度をより活用し易くする改正こそが求められています。

今回の「素案」に沿った見直しは、情報公開制度の趣旨を大きく後退させるものであり、「素案」に沿った見直しを断念すべきです。

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2025年12月20日 (土)

定例会の日取り

■市民オンブズマン福井は、毎月(8月は休会)定例会を開いています。

時間帯は、13時半~15時前後です。

会員でない方の参加も歓迎しますが、事前に事務局まで電話をいただけると幸いです。

(090-9441-6149)

参加費、資料代は不要です。12月は20日に行いました。

1月は24日(第4土)、2月は21日(第3土)の予定です。

会場は県教育センター(県国際交流会館通り)です。

■当会は会費とカンパのみで運営している市民活動団体です。

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2025年12月 8日 (月)

福井市職員措置請求書を提出

12月08日付で、「福井市職員措置請求」の書面を提出いたしました。

福井市の元特別職2人が立件された事件に係る監査請求です。

請求人は3名、請求の要旨(及び書面の見出し)は、以下の通りです。

 

第1 請求の要旨

 地方自治法第242条第1項の規定に基づき、福井市長に対し、次に述べる1の(1)、(2)、(3)に係る公金支出の福井市への返還を求めて、下記の通り請求する。

 

1 請求の対象

(1)略式起訴を受けた元副市長小寺正樹氏(以下、「小寺氏」という。)に対し、一般職退職時に支給された退職金。

(2)略式起訴を受けた前上下水道事業管理者前田和宏氏(以下、「前田氏」という。)に対し、上下水道事業管理者退任時に支給された退職金。

(3)市長である西行茂氏(以下、「西行市長」という。)に対し(1)及び(2)の合計額。

2 当該行為のあった日

 

第2 福井市特別職職員等倫理委員会

1 福井市特別職職員等倫理委員会への要請

2 委員会への「要請の内容」

 

第3 小寺氏に係る請求の原因

1 書類送検から略式起訴までの経緯

2 「中間報告」の見解

(1)倫理規程違反の認定

(2)辞職願の受理について

(3)退職金について

(4)退職金を満額支給したことについて

3 小寺氏に退職金の返還請求を求める理由

 

第4 前田氏に係る請求の原因

1 書類送検から略式起訴までの経緯

2 「中間報告」の見解

(1)倫理規程違反の認定

(2)任期間満了について

(3)退職金を満額支給したことについて

3 前田氏に退職金の返還請求を求める理由

 

第5 西行市長に係る請求の原因

1 「中間報告」が言及していない点

(1)小寺氏の行為は情報公開条例にも抵触

(2)働きかけ規程の受付記録の未提出

(3)専決処分に係る問題点

(4)調査引き延ばしの理由は成り立たない

2 市長に損害の相当額の損害賠償請求を求める理由

以上

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2025年11月27日 (木)

「職務に関する働きかけの記録等取扱規程」見直しに関する意見書

2025年11月25日

福井市長 西行 茂様

市民オンブズマン福井

「職務に関する働きかけの記録等取扱規程」見直しに関する意見書

 

1 はじめに

 当会は、「職務に関する働きかけの記録等取扱規程」の施行(2003年11月)以来、継続して記録票の開示請求を行ってきましたが、近年においては、「受付実績がなく、存在しないため」を理由とした「公文書非開示決定通知書」を受け取る事が多くなり、制度の形骸化を実感しています。

市長は、特別職2人が立件された事件について、市特別職職員等倫理委員会(以下、倫理委員会と言う。)の最終報告を基にした再発防止策を公表し、「職務に関する働きかけの記録等取扱規程」(以下、働きかけ規程と言う。)も見直す意向を表明されました。

全国市民オンブズマン連絡会議は、「働きかけ記録制度に関する全国調査」(2016年、2017年、2021年)を行っています。主な対象は都道府県、政令市、中核市で、福井市は2021年の調査対象です。この結果を踏まえ、働きかけ規程の見直しに関し、特に4つの観点について意見を述べるものです。

2 働きかけ規程の見直しに関する4つの観点 

(1)働きかけ規程の条例化 

全国市民オンブズマン連絡会議による「働きかけ記録制度にかかる全国調査(2021年7月1日現在)」(以下、全国調査と言う。)によると、62中核市中37市に働きかけ記録制度があり、うち15市が条例を制定しています。

記録件数については、条例に基づく制度の方が、条例以外に基づく制度より件数が多い傾向にあります。記録が条例で義務付けられることで、働きかけを記録するに際し、職員にかかる精神的な圧力が少なくなるのではないでしょうか。

 働きかけ規程の条例化を検討してください。 

(2)記録要件の見直し 

記録件数に顕著な影響をもたらす要因には、記録要件も挙げられます。全国調査によると、37の中核市中、記録の要件を違法・不当な働きかけに限ると回答した16市においては、記録があったのは豊田市(33件)、吹田市(1件)のみでしたが、全てを記録すると回答した市の記録件数は、岐阜市8,672件、奈良市=299件などでした。

岐阜市の公式ホームページ「岐阜市職員の公正な職務の執行の確保に関する条例について」には、「岐阜市では、提言、要望等及び不当要求行為への対応について必要な事項を定めることで、提言、要望等については適正に対応し、不当要求行為については速やかに組織的な対処を行い、もって市政に対する市民の皆様からの信頼を確立することを目的として、平成29年3月24日に岐阜市職員の公正な職務の執行の確保に関する条例を制定し、平成29年7月1日から施行しました。(下線は当方)」とあります。

 違法・不当な働きかけを記録すれば足りるという発想では、職員を委縮させてしまい、働きかけが正確に記録されることは期待できません。

 不当要求行為のみでなく、市民の提言、要求をも記録することを検討してください。

(※)なお、福井市は全国調査に対し、すべてを記録すると回答していましたが、福井市の規程の記録の要件は、違法・不当な働きかけに限るものです。

(3)対応マニュアルの作成 

 倫理委員会は、「不当な働きかけがなされた場合の対応マニュアルを策定し、誰が、どのように対応していくのかの手続きをフロー化した上で、有事の場合にはこのマニュアルに沿って対応できるようにしておくべきである。」と提言しています(最終報告P29)。

名古屋市の「要望等記録制度運用マニュアル」を先進事例として参考にしてください。

(4)市民に制度を周知させる事 

 倫理委員会のアンケートでは、「事件の前から知っていた」と回答した職員は64%、さらに、「事件の前から知っていた」、又は「事件を機に知った」と回答した職員中の25%が理解不足等を自認しているとの結果でした(最終報告P23~24)。

福井市政のコンプライアンスに不信を抱かざるを得ません。

働きかけの記録制度を実効性のあるものにし、市民の信頼を得るためには、制度に対する職員の周知徹底はもとより、市民が制度の趣旨を知ることが必要です。

「岐阜市職員の公正な職務の執行の確保に関する条例」についての解説と直近2年間の報告件数を掲載している岐阜市の公式ホームページを先進事例として参考にしてください。

市民に制度を周知させる取り組みを検討してください。

以上

 

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2025年10月 8日 (水)

公開質問状の回答

828日付裁決書を踏まえての文書管理規程3条第1項の文書作成義務に関する公開質問状」、及び回答

※ 見出しの市長宛ての質問状(9月16日付け)に対し、回答書(文法第65号 令和7年9月26日)が届きました。

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<Ⅰ 質問状>

 「8月28日付裁決書を踏まえての文書管理規程3条第1項の文書作成義務に関する公開質問状」

市民オンブズマン福井

 

 私たちは、地方公共団体等の違法、不当な行為を監視しこれを是正し、その運営の公正の確保と透明性の向上を図ることを目的として活動している市民団体です。今般、見出しの公開質問状を提出いたしたく、10月02日(木曜)までに、書面にてご回答いただきますようお願い申し上げます。

 

第1 本件の概要、及び答申書の付言について

1 本件の概要

アリーナ構想について、旭地区で2024年11月26,27日に開かれた地区説明会の議事録、及び復命書を開示請求したところ、「不存在」の3文字のみを理由とする「不開示決定通知書」を受け取りました。

そこで、12月10日と同月16日に、不開示処分の取消しと、不存在の理由の明記を求めて審査請求を行いました。

審査手続きの「弁明書」において、市はこれらに係る文書は、福井市文書管理規程第3条第1項の各号に該当する軽微なものと判断し、議事録等は作成していないと説明しました。

 審査会は、不開示決定の理由の提示に不備があり違法の判断を免れず、不開示処分は取り消されるべきであると答申しました。一方、該当文書の保有に係る事実は認められず、不存在の判断それ自体に違法性ないし不当性があるとはいえないとしました。

 市長(処分庁)は、答申を受け、8月28日、「本件審査請求に係る処分を取り消す」裁決を行いました。

 

2 答申書の付言

 審査会の「付言」全32行中、結びの9行を転記します。

「このような説明会には市政と市民の間に溝が生じることを防ぐ重要な役割があることは明らかである。それにもかかわらず、質疑応答の記録すら作成しなかった実施機関の対応は、地方自治に対する理解が危ぶまれるだけでなく、意見を述べた市民に対して敬意を欠くと言わざるを得ない。

以上のように、今回の開示請求に対する不存在の不開示決定について、理由に不備があることはもとより、そもそも公文書を作成する意義が希薄であったことに強い懸念を覚える。市職員全体の問題として、公文書及び市民の声の重要性を改めて認識していただきたい。」

第2 質問2件

1文書管理規程第3条の違反について

審査会は、「文書の保有の有無について、当審査会事務職員をして実施機関に確認させたところ、実施機関は、いずれの文書も作成しておらず、音声データ等の電磁的記録も存在しないと回答した。」として「対象公文書の有無については保有が無いものと言わざるを得ない」と判断しています。

一方、担当者のメモ・手控え等の保有についての調査の記述はなく、「何ら記録を残さなかったという実施機関の対応については違和感を禁じ得ない」と述べていながら、文書管理規程3条第1項の文書作成義務についての言及はありません。

しかし、本件は明らかに文書管理規程3条第1項の文書作成義務違反であると考えます。市長のご見解についてご回答ください。

 

2 公文書作成・管理について組織全体として、どう意識を改めるのか

先述の付言、即ち「公文書を作成する意義が希薄であったことに強い懸念を覚える。市職員全体の問題として、公文書及び市民の声の重要性を改めて認識していただきたい。」に対する市長のご見解、さらに「公文書作成・管理について組織全体として、意識を改める具体策をお示しください。

以上

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<Ⅱ 回答>

文法第65号 令和7年9月26日 福井市役所総務部文書法制課                

1つ目の問いについて

 ご指摘のとおり、文書管理規程第3条は職員の文書作成の義務について規程していますが、同時にその例外も定めています。今回の事案となった地区説明会の議事録に関しては、当該例外規定である同条第1項各号のすべてに該当する軽微なものと判断して作成しなかったものです。その判断が当該説明会に参加した市民への敬意を欠くものであったと答申付言で指摘されました。本件において当該例外規定を適用して公文書を作成しなかったのは、例規の解釈を誤ったものであり、大変遺憾に思います。

2つ目の問いについて 

 公文書作成の意義等については、毎年度、所属長及び課長補佐等を対象に「公文書に関する研修」を行ってきましたが、今回の事案をうけて、今一度、公文書の意義やその管理の根本について周知・徹底を図る必要があると考えます。

 そのため、すでに全職員に対し、本事例を示し、文書作成に関する注意喚起を行ったところです。

 また、今年度の「公文書に関する研修」について、研修方式を集合形式から動画視聴によるものに変更し、対象者が当該研修を受け易くするとともに、対象者以外も研修内容を学ぶ機会を得られるようにすることで、職員全体の公文書管理・情報公開制度等に対する意識向上につなげたいと考えております。

 

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2025年4月21日 (月)

2023年11月29日付けの審査請求に対する答申及び裁決について

2025年4月21日

 

2023年11月29日付けの審査請求に対する答申及び裁決について

市民オンブズマン福井

 

 

1 答申第129号(2025年3月13日付け)と裁決書(同月31日付け)

 

 「公文書非公開決定通知書」(福議総第471号/2023年10月19日付け )における非公開文書の公開を求めた審査請求(203年11月29日付け)に、福井県公文書公開審査会は、「実施機関(福井県議会議長)が本件処分をしたことは妥当ではなく、全部公開すべきである」と判断した(答申第129号/2025年3月13日付け)

 

福井県議会議長は、審査会の答申を尊重する裁決を行った(同月31日付け)。

※審査請求時の議長は西本正俊氏、採決時は宮本俊氏。

 

2 経緯

(1)公文書の名称

 「福井新聞で報道された佐藤正雄前県議が10月4日に、議長宛てに提出したおわびの

文書」

 

(2)非公開の理由

福井県情報公開条例第7条第1号に該当。個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができる、または特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるため。

 

(3)審査会の判断(要約)

 公開を求めている謝罪文には、前県議の氏名、議長宛ての謝罪等が記されており、「個人に関する情報」であることが明らかであり、かつ、「特定の個人を識別することができるもの」ということができるから、条例第7条第1号本文の個人情報に該当する。

 

しかし、本件公開請求時点で、前県議自らが、本人のブログにおいて文書全文を掲載していたことを踏まえると、本件公文書はすでに明らかになっていたものであり、「慣行として公にされている情報」であると考えることができ、例外的に非公開情報から除かれる同号ただし書きイに該当すると認められる。

 

 以上の事から、本件処分は妥当ではなく、全部公開すべきである。

 

3 市民オンブズマン福井の見解

 

前県議は、議長宛てに文書を提出した当日(新聞報道の前日)、自身のブログに文書全文を掲載している。つまり、個人識別を公にしないことによる権利利益について、前県議は放棄しているのであるから、非公開か否かの論争はそもそも不要であった。公にすることにより個人の権利利益を害するおそれは生じ得ないからである。

 

また、審査請求人は、2024年10月30日に「公文書公開審査会の速やかな答申を求める要望書」を提出した。答申までの時間がかかりすぎることは、「知る権利」の侵害である。

「福井県情報公開条例」は、その前文において、「情報公開制度は、県が『説明責任』を全うするための重要な制度であり、(中略)県民の理解と信頼を基本とする公正で透明性の高い県政を実現する上においても、不可欠なものである」と宣言する。

 

それにもかかわらず、本件の情報公開請求に対してすら非公開とした議長の判断は、上記「福井県情報公開条例」の趣旨をまったく理解しないものであるといわざるを得ない。

ここに福井県の情報公開制度に対する姿勢が端的に示されている。議長には猛省を促すとともに、改めて「福井県情報公開条例」を勉強し直してもらいたい。

以上

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2025年3月17日 (月)

2023年度 福井県議会政活費に関する住民監査請求の結果について ついての見解

2025年3月17日

 

「2023年度 福井県議会政務活動費に関する職員措置請求」の結果に

ついての見解

市民オンブズマン福井 

標記の措置請求の監査結果が公表され、監査委員は、「本件請求には、理由がないものと認め棄却する」と結論を下した。

令和7年3月11日公表(福井県報第340号)(PDF形式386KB)

 

 

1 請求対象6件の内容

 

① 「十戦車若狭友の会総会に出席」/9,702円の全額を返還請求

小堀友廣議員)

6月10日に、「十戦車若狭友の会総会に出席。国防について意見交換」として、調査研究費8,000円、及び交通費1,702円を支出。しかし、案内状の内容は不明確で、会の趣旨もわからない。

 

② オランダにて意見交換/248,383円の全額を返還請求

藤本一希議員)

3月16日~20日間に「オランダにて意見交換」、調査研究費248,383円を支出。しかし、旅費関係の資料以外は外務省欧州局西欧課の作成資料のコピーのみ。「県外・海外調査報告書」に記載の6行からは、具体的な視察内容を知るのは不可。

 

③ 高額椅子を備品費として全額充当/96,800の1/2以上の返還を請求

(斉木武志前議員)

 5月5日、「椅子購入費」96,800円を事務費(備品費)で全額充当(ちなみに田村議員もオフィスチェアーを購入しているが、充当額は、価格19,900円の1/2)。

 

④ パソコンを使用するために必要な一体的な支出を全額充当

(大和久米登議員)

㈱ニシムラからの明細書2頁分の請求額494,120円中、事務費(備品費)で428,120円充当(電気工事と照明器具の66,000円のみ充当外)。

 領収書等添付票は、①165,000円、②54,780円、③54,780円、④44,000円、⑤109,560円の5枚。パソコンに係る支出は318,560円(①+④+⑤)、プリンターに係る支出は109,560円(②+③)。

これらの支出は、パソコンを利用するために必要な一体的な支出と考えるべきである。

合計額から20万円(OA機器の充当限度額)を差し引いた金額を返還し、その上で、充当限度額20万円の1/2~2/3の返還を請求

 

⑤ パーテーション購入費/99,000円の全額を返還請求

(大和久米登議員)

2月13日に、「パーテーション購入」として事務費(消耗品費)99,000円を支出。支出証拠資料は領収書のみ。請求書も現物の写真の添付もなく全額充当。

 

⑥ ノートパソコンとケーブル購入費/197,118円の1/2以上の返還を請求

(山岸みつる議員)

1月6日に、「ノートパソコン購入」として事務費(備品費)193,070円、1月

11日に「ノートパソコン用ケーブル購入」として、事務費(消耗品費)4,048円を支出し、それぞれ全額充当。

 

2 監査の結果

調査対象機関は福井県議会局

①について

 対象機関から「十戦車若狭友の会」及び、総会の内容の説明があり、マニュアルに適合して執行されているものと認めた。

 

 ②について

 対象機関が調査目的と有用性を確認しており、請求人の主張する「きちんとした視察成果の報告書」が添付されていないことをもって、不当な支出であるとは言えない。

 

③について

 対象機関から、備品費の基準は、椅子については一件あたりの取得金額が10万円未満ということのみであり、当該椅子は政務活動のみを行う事務所で使用していることを確認しているとの説明があり、全額充当することは不適切とは言えない。

 

 ④について

 対象機関から、マニュアルに定める「一件あたりの取得金額」の「一件」とは、品目単位であることの説明があり、税法上の取扱い等に鑑みると、「一件」のとらえ方は適正を欠くものとは言えない。また、当該パソコンは政務活動を行う事務所において政務活動にのみ使用していることを確認しているとの説明があり、全額充当することは不適切とは言えない。

 

 ⑤について

 対象機関から、パーテーションは、政務活動のみを行う事務所で使用していることを現地確認したとの説明があり、全額充当することは不適切とは言えない(消耗品費支出を備品費支出に修正の上、現物写真を公開する)。

 

⑥について

 対象機関から、当該パソコンは、政務活動を行う事務所にのみ使用していることを確認しているとの説明があり、全額充当することは不適切とは言えない。

 

3 監査委員の意見

「県外・海外視察報告書」の様式では、調査目的や調査の有用性を記載するようにはなっていない。このような項目を様式に追加するなど、政務活動費の使途の透明性をより一層高められるよう検討されたい。

 議員の活動は多岐にわたっており、政務活動とそれ以外の活動を厳密に区分することが難しい場合も多々あると考えられるが、マニュアルにおいて、政務活動費を充当するにあたっては、活動実態や使用実態に応じた割合で按分するものとされており、支出の合理性について県民に対する説明責任を果たす必要があることを改めて認識されたうえで、適用した按分割合の根拠や妥当性を分かりやすく開示することを検討されたい。

4 当会の見解

  監査といいながら、全ての請求項目について、福井県議会局が当該議員から聞いた話をそのまま追認したものにすぎない。実態に踏み込む監査は行っておらず、初めから棄却ありきの態度と言わざるを得ない。

96,800円という市民感覚とかけ離れた高額な椅子を、公金である政務活動費を全額充当して購入する必然性などの追求はせず、他議員の椅子の購入事例については意に介してもいない。

調査研究費においては、住民監査請求をしなければ、それらの目的も有用性も県民に明らかにされないということなのである。

また、事務費を按分支出しなくてもよい根拠として「政務活動のみを行う事務所」などと言う説明が行われているが、根拠が全く示されていない。事務所の使用実態を記録等に基づいて監査すべきである。

 監査委員の意見は、「視察の報告書」と、按分支出に関する議会局の説明の不備を事実上認めており、返還請求を求めることは十分可能だったと考えられる。

 県議会議員におかれては、物価高に苦しむ多数の県民の生活実態を理解し、特権的な支出を控えるとともに、政務活動費を議員活動のために有効に使われるよう、強く望むものである。    以上

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2025年1月 9日 (木)

2023年度福井県議会政務活動費監査請求

2023年度県議会政務活動費に関する職員措置請求書(住民監査請求)

 見出しの書面を、2025年1月9日付けで提出しました。

 

1 調査研究費2件

 

(1)「十戦車若狭友の会総会に出席」(9,702円の全額を返還請求)

※ 案内状の内容、会の趣旨とも不明確。

 

(2)オランダにて意見交換 (248,383円の全額を返還請求)

※ 具体的な視察内容を知ることができない海外視察。旅費関係の資料以外は、外務省の作成資料の添付のみ(視察報告書無し)。

 

2 事務費4件

 

(1)高額椅子を備品費として全額充当(96,800円の1/2以上の返還を請求)

 

(2)パソコンを利用するために必要な一体的な支出を全額充当

(まず、合計額からOA機器の充当限度額20万円を差し引いた金額の返還を請求。その上で、充当限度額の20万円の1/2以上の返還を請求。)

 

※ OA機器の政務活動費充当額は20万円だが、「領収書等添付票」を複数枚に分けて、

428,120円を全額充当。

 

(3)パーテーション購入費(99,000円の全額を返還請求)

 ※ 消耗品費で全額充当。領収書の添付のみで、請求書無し、現物写真無し。

 

(4)ノートパソコンとケーブル購入費(197,118円の1/2以上の返還を請求)

※ ノートパソコン(193,070円)とパソコン用ケーブル(4,048円)を備品費として全額充当。

 

■検証の観点

 政務活動費の充当対象経費は、当然ながら、政務活動との間に合理的関連性を有することが認められること、即ち、政務活動費の充当が、議会活動に現に役立っている、あるいは今後役立つ可能性があること等の理解と推認が得られることが必要である。これらについて県民に説明できないものは不当な支出であり返還されるべきである。

 

 また、議員の多彩な(広範多岐にわたる)諸活動には、政務活動とその他の活動との明確化(意識づけ)が必要であり、政務活動費を充当した活動に諸活動が重なり合っている(混在)場合には、諸活動の比率分を按分すべきである。

 

 

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2024年12月11日 (水)

「審査請求申立書」提出について

「審査請求申立書」

 

 12月10日付で見出しの書面を提出しました。

 

  • 私たちは、7月に旭地区で行われた「アリーナ建設計画(案)に係る地元説明会」、及び

10月に行われた「福井市都市計画公聴会」の議事録等を公開請求してきましたが、

11月26日、27日に行われた地元説明会の議事録は「不存在」理由の不開示でした。

 

  • 11月に行われた地元説明会は、2027年秋を目指していたアリーナ構想の開業に最長1年の遅れが生じる見込みであることが、経済界から示された経緯を、市担当が説明し、地元住民56人が出席したと報じられましたが(11月29日福井新聞)、この議事録が

「不存在」ということです。

 

(※)議事録不存在通知のあと、当説明会に出張した職員の復命書を公開請求しましたが、

これも「不存在」を理由とする不開示になりました。

 

  • 以下は「審査請求の趣旨と理由」です。

 

「審査請求の趣旨及び理由」

 

1 審査請求の趣旨

2024年12月3日付け「公文書不開示決定通知書」(スポ第221号令和6年12月

3日)の不開示決定について、不開示決定の取消しを求める。

 

第2 審査請求の理由

 

(1)公文書不存在理由の不備

2024(令和6)年12月3日付け「公文書不開示決定通知書」の「アリーナ構想に

ついて、旭地区で11月26日、27日に開かれた地区説明会の議事録及び出席者に配布

された資料」を不開示とした理由は「不存在」の3文字のみで、不存在の要因についての

付記は一切ない。不開示決定に際しての理由付記のあり方として不備と言わざるを得ない。

 

(2)公文書不存在理由が不明

(1)の事情により、請求文書をそもそも作成していないのか、作成したが破棄したのか、個人メモとして作成したのか等、公文書不存在理由が一切不明である。

 

第3 結語

 公文書不存在の理由の明記(作成していないのか、作成したが破棄したのか、議事録という表題以外の文書で存在するのか等)を求める。 

 

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2024年11月11日 (月)

「アリーナ建設計画に関する質問状」に対する回答について

「アリーナ建設計画に関する質問状」に対する回答について

 

 10月4日に提出の見出しの質問状(※)に対し、県(交流文化部 文化・スポーツ局スポーツ課)と福井市(商工労働部 観光文化スポーツ局・スポーツ課)から、10月30日付けで回答が届きました。市と県の回答は、福井市にのみ質問した「1—②」を除き、書式を含めて全く同一でした。

(※)http://3courage.cocolog-nifty.com/ombuds_fukui/2024/10/post-42b392.html

 回答の要旨と当会の見解を公表いたします。

http://www.fukui.ombudsman.jp/241111.pdf

 

※参考

公文書公開請求で入手した「福井市都市計画公聴会議事録」

http://www.fukui.ombudsman.jp/fukuikouchokai.pdf

 

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