、「談合しにくい入札制度改革」に関心を
事務局の伊東です。
2007年4月14日、市民オンブズマン福井の第10回総会を開催し、記念企画として、信州市民オンブズマン代表幹事で弁護士の松葉謙三さんに「不正・腐敗の温床 談合・議員特権を斬る!」と題して講演をいただきました。
松葉さんは、長野県の田中康夫前知事時代に1年間、同県の副出納長兼会計局長を務められ、2005年7月からは同県公共事業入札等検討委員会委員として、また、TV番組でも、談合問題に関するコメンテーターとして度々出演されるなど、入札制度改革に取り組む第一人者として活躍中です。
松葉さんは、政・財・官の癒着が如何に根深いか、昨今、問題とされている談合事件は氷山の一角であると話し、「談合しやすい入札制度を温存し、談合が行われているのを見てみぬふりを続ける『消極的談合』」をなくさない限り談合はなくならないと訴えました。
さらに、談合をなくす方法は簡単だが実行は困難を伴うのが実態で、入札制度改革に本気で取り組もうとするには勇気と決断が要るが、談談合がなくなれば天下りもなくなると力説しました。また、田中前知事は、この前人未踏ともいえる困難さにチャレンジしてきた人だとも話されました。
談合という体質が予想以上に根深くはびこっている怖さを感じたお話でしたが、市民が、「談合は税金の大いなる無駄遣いである」ことを認識し、問題発覚の時ばかりでなく、「談合しにくい入札制度改革」に関心を持ちつづけることが談合阻止の力になるような気がします。
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コメント
確かに談合は法的に違法であり、世間的にも敵視される行為だと思います。
実際に今までは、地方で発注される工事は全て談合により落札者が決められていました。
おかげで、私たちは均等に仕事を取ることが出来ていました。生温かったと言われればそうかもしれませんね。
談合しにくい入札制度、それはすなわち一般競争入札です。
入札に参加する企業がわかりませんので、談合のしようがありません。
しかしここに、今ひとつの問題が起こっています。
それは、中央の大手企業が容易に一般競争入札に参加できるということです。もちろん、彼らはランクが高いために私らが落札するような地方の工事には参加できないのでは?と思われるでしょうが、実は大手の資本が入った新規企業が多くなってきています。
そのような企業は、資材の仕入れ値が安く、私たちでは太刀打ち出来ないのが現状です。しかも、そういう工事を信じられない価格(労務費6000円程度)で私らに下請けさせます。
ボイコットした時点で、私らは干されてしまいます。
どこか手抜きをしないと、まともに仕事できませんし、間違いなく質も低下してきています。
談合を復活させて欲しいとは言いませんが、私らが大手に勝てるためにも、最低制限価格を設けるための運動をお願いできませんか?
このままでは、数年後には同業者の半分以上は倒産し、気がついてみると大手の子会社だけに・・・、という状況になってしまいます。
投稿: 中小企業主 | 2007年6月17日 (日) 21:29
大切なことを書き忘れていました。
こういう業者を特定する方法ですが、実際にはかなり困難です。
法的に問題ない形で、親会社との関連を悟られないように取り繕って
いますし、私らが実際に取引しても気がつかないことが多いのです。
ただひとつ、方法があるとしたら、かなりの頻度で工事を落札して
いるということぐらいでしょうか。
でも、特定したところで適正な競争で落札しているし、どうしようもないですね。
ほんとに、1時間で1万円とか安くても5千円という報酬を得ることができる
弁護士の先生が羨ましいです。
私らは、一日死ぬ思いで働いてもその程度ですから。
出来ることなら逃げ出したいです。
投稿: 中小企業主 | 2007年6月17日 (日) 21:53
<中小企業主さま>
発信者の伊東です。ご意見拝読いたしました。
このブログで議論できるような簡単な問題ではないと思いますので、よろしければ定例会に来て発言なさって下さいませんか?
定例会は(日にちと会場は月によって変わりますが)毎月開いてい
て、会員を問わず参加していただけます。
(このホームページの扉のページで常時案内しています。)
投稿: 事務局 伊東 | 2007年6月22日 (金) 19:24