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2007年12月

2007年12月30日 (日)

タンポポの綿毛が飛んでいくように

 12月26日、昨秋9月8日に、領収書のない公費の支出は違法だとして、2005年度分の政務調査費の返還を求めた訴訟について和解が成立しました。和解に至る経緯、今回の裁判の成果、問題点等については、当日に声明文として公表しました。(当会ホームページ(最近の出来事12月26日のところにリンクがあります)でご覧ください。)

 福井県議会も含め、ようやく政務調査費の条例改正をした議会が、全国で相次いでいますが、改正前の政調費の使途は、県民には知る術もありません。条例が改正されただけで実質的な議会改革そのものは、まだ何も始まっていませんが、統一地方選もあった2007年、議会の中も何かが変わり始めているのではないかという期待を感じます。

 「市民オンブズマン福井」は、発足以来、弁護士はあくまでも一会員の立場に徹し、アドヴァイスはするものの、最終的には会員の総意に基づいて決定するという方針で活動を進めてきました。今回の提訴は、法律の専門家たる弁護士から見れば、「あまりにも無謀」だったと思います。でも、「おかしいことはおかしい」ということ、それが法的に不利だろうと、「県民として、納税者としての常識をぶっつけたい」という私たちの思いを、最後は「それが市民活動の原点」だとして、背中を押してくれ、私たち原告もはじめての本人訴訟に踏み切ることができたのでした。

 住民訴訟が、タンポポの綿毛が飛んでいくように民主主義の発展のために寄与できるとしたら、訴訟に弁護士以外のメンバーが含まれていること、そして皆が最後まで運動を共有化できることがポイントになるのではないでしょうか。あらためてそんな思いを実感している2007年の師走です。(事務局・伊東晴美)

 

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2007年12月 8日 (土)

福井大学「地域社会情報演習」

 今年(2007年)も11月30日に、福井大学の「地域社会情報演習」を終えてほっとしたところです。同大学教育地域科学部の授業の一環で、学生さんが県や市町に実際に情報公開請求を行い、公開された資料を検討分析し報告書を作るという作業に、制度を活用してきた先輩?として助言をさせてもらうというものです。  2000年から始まり、ここ数年は、幹事で県庁OBの観さんと事務局の私の2名がおじゃましています。

 授業は2回で、第1回目では、情報公開制度が市民にとってなぜ必要なのかということをお話し、請求からまとめまでの実例を、配布資料と照合しながら2件ほど紹介します。

 1回目から半月ほど後の2回目が演習の本番です。

 4つのグループがそれぞれ準備した請求案について、この問題について関心をもった理由、調べる目的、請求しようと思っている資料などについて発表します。新聞報道などから請求項目を検討し1つに絞り込むというケースが多いようです。

 それについて、担当の先生方とともに、私たちも意見や助言を行います。論点がはっきりしていて答えやすい提案もあれば、戸惑ってしまうようなケースもありますが、学生さんの真面目な取組み姿勢と、担当の先生方の熱心な学生さんへの指導を目の当たりにして、市民オンブズ活動の原点は情報公開請求であることをその都度再確認させられる、私たちにはいい機会になっています。

 欲を言えば、とっかかりを報道や情報に頼るばかりでなく、学生さんたちが自分たちの暮らしの中で感じた疑問点をきっかけとしたテーマが、もっと増えれば面白いなと思っています。

 学生さんによっては電話やメールで質問をしてきてくれることもありますし、外で「今日は」と声をかけられびっくりすることも。この授業をきっかけに市民オンブズ活動を身近に思ってくれる若い人たちが増えていることは嬉しい限りですし、機会を提供していただく大学側に感謝しております。(事務局・伊東晴美)

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