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2008年11月

2008年11月28日 (金)

監査委員の顔ぶれ

◎ 今年の6月から始めた「ミニ学習会」。定例会の前座よろしく、わずか20分間ほどですが、一つずつテーマを取り上げ(何になるかは担当幹事の思いつき?次第)6回を重ね?ました。前回はたまには「福井県監査委員事務局」はどうなっているかを知っておこうというわけで用意した資料を参考に話合いましたが、中でも問題だと思われたのは「監査委員の顔ぶれ」でした。

監査委員4名は議員と有識者が2名ずつで構成されていますが、福井県の場合、その議員2名はいずれも与党自民党。これで「独立した執行機関」と言えるのか疑問です。ある県からいただいた情報によると、監査委員も他の役職とともに会派間で決めている由で、だいたい一人は自民党でもうひとりは他の会派になるとのこと。

ここに19998月に行われた「第13回自治体学会岡山・倉敷大会」分科会の報告と討論を記録した本があります。(4名のパネリストのおひとりは大阪市民オンブズマンの秋田仁志弁護士)。

 その質疑応答の記録に、会場からの問題提起=「東京都中野区教育委員会の準公選制を例に、監査委員を公選制にできないか?」がありました。

 以下は、その質問に対するパネリストの意見です。

●現在、地方自治法では監査制度を公選で設けるのは難しいかなと思っておりました。しかし、中野の教育委員会の制度のお話がありました。そこで選ばれたものを参考として、首長がこれを任命し、議会がこれを承認するという方法は十分に現在の地方自治法の中でもできると思います。それは今後おおいに検討していかなければならないでしょう。(N氏:新聞社論説副委員長)

●( 略)長が任命する限りはどうしてもヒモ付きになるのではないかという危惧が出てきます。これは確かにそうだなと思います。そこで、監査委員になりうるもののリストを住民参加によって作り上げてきて、そこから選ぶとか、いろんな形の選び方の工夫はできると思います。法律自体は、「長が、議会の同意を得て・・選任する」と定めているだけなので、長が候補者を選ぶ方法については工夫する余地はあると思います。(S氏:大学教授行政法)

また、S氏は質疑応答に先立つ報告の中でこんな発言もしています。

●( 略)住民監査請求の活性化という議論になっていきますと、まず、監査の独立性を強化する必要がある。また、なぜ、今まで監査委員が実のある監査をできなかったのかという点についての実証研究を、もう少しきちんとする必要があります。

()監査委員は、常に自治体には辛いことを言う。時には厳しいことを言うというのがごくあたりまえであって、それが自治体にとってはいちばん必要なことなのだという認識で、監査委員体制を作る必要があります。

◎福井県の問題点をどうしていくかについて、今後協議していかねばと思っています。(事務局:伊東晴美)

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