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2010年9月

2010年9月11日 (土)

福井県警違法支出金返還請求事件の初弁論/息詰まる代理人の激論

開廷は2時、閉廷は3時少し前。

被告側席には、両代理人弁護士と関係者3名。傍聴席には、やはり関係者とおぼしき人があふれていた。原告席には、市民オンブズマン福井の幹事でもある3人の代理人弁護士。傍聴席には原告がそろった。

今回私は原告代表として、真面目に納税している県民の思いを伝えたくて意見陳述をさせてもらった。

さらに、オンブズマン幹事の原告代理人が被告の答弁書に対する反論を述べた。「本件訴えにおいては、西川一誠に対する請求を求める訴えを除いて相手方が具体的に特定されておらず、これら訴えは地方自治法が法定する訴えの要件を欠き、不適法である。」との主張に対し、「本件のごとく、多数の支出行為が対象となっている場合には、全ての支出の財務会計上の行為について、県民が調査することは不可能。被告である知事が明らかにするべき。」と意見した。

これに対し、被告代理人は、「県警の自主調査報告書に記載してある件数と金額の内容について情報公開請求をすれば特定できるはず。こちらが明らかにする必要はない。」と猛反論。あまりの激しいやり取りに、ここで予定10分間の休廷。

再開後も、原告代理人3人の「情報公開請求をして、その手続きに日数を費やし、そのうち請求期間が過ぎてしまう、というような非現実的なことを法制度は求めていないはず。」との主張に、あくまで原告に特定せよと主張する被告代理人。

息詰まる代理人同士の激論は、法廷ドラマの場面のごとし!

集った報道関係者も、傍聴者も息を潜めて聞き入った。

同じ論点を、市民、行政、どっちの立場で考えるかで、180度違う解釈になるのを、あらためて実感した。

今後の日程です。

10月12日(火)=原告側準備書面提出期限
11月12日(金)=被告側答弁書提出期限
12月 6日(月)=進行協議(11:00) 口頭弁論(11:30)

(事務局 伊東晴美)

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2010年9月 6日 (月)

9月4日~5日/全国市民オンブズ(マン)大会に参加して

  全国大会のパワー

北陸・富山大会と銘打った17回目の全国大会に、福井からは7名が参加。

地元富山のオンブズ諸氏の準備への労苦に胸中頭を垂れつつ、初日は受付け等の手伝いをさせてもらった。

北は北海道から南は九州まで、この猛暑の中集った250名のエネルギー!全国大会開催の最大の意義は、このパワーを実感し合うことにあると、私は思う。

市民オンブズ(マン)活動は、市民社会の中で着々とその存在感を増してきた、と思うけれど、世間の人たちの活動に対する誤解や勘違いはまだある。

また、遅々として成果が上がらない、課題が見えていても時間的な制約(お金も)で思うように調査ができない等のジレンマも、全国大会に行くと「明日からも何とかなるだろう!」という気になってくる。

大会は市民オンブズの会員でなくても参加可能。来年は長野県松本市で開催予定、福井から近くはないですが、いっしょに参加しませんか?

    分科会「情報公開」

私の参加したのは「情報公開・ランキング分科会」。担当は、全国連絡会議事務局長の新海弁護士。

テーマは大きく3つ。一つ目は今年度初めて実施した「予算編成過程の透明度ランキング調査」について、100点満点を獲得した鳥取県が報告。(ちなみに福井県は35点で32位。)予算編成過程に市民が関わるには相当の勉強も必要、「しっかりせなあかんわぁ」と思ったことだった。

二つ目は情報公開請求における「請求権の濫用禁止」を、全体の4.4%といえども38自治体で規定していることについて、憲法21条から導き出される「知る権利」に違反している疑いがあるとの問題提起。

三つ目は、政務調査の領収書における黒塗り対策に新海弁護士の画期的提案。

私はフリー発言の場で、個人情報保護を理由にイージーに黒塗りされるケースについて、たまたま福祉関係の資料を情報公開請求した際の体験談を紹介させてもらいましたが、「確かに個人情報保護以降、随分窮屈になりましたね。」と新海さんも共感してくださったので、来年このテーマも取り上げてもらったらいいなと思っています。   (記 伊東晴美)

 

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