福井県警違法支出金返還請求事件の初弁論/息詰まる代理人の激論
開廷は2時、閉廷は3時少し前。
被告側席には、両代理人弁護士と関係者3名。傍聴席には、やはり関係者とおぼしき人があふれていた。原告席には、市民オンブズマン福井の幹事でもある3人の代理人弁護士。傍聴席には原告がそろった。
今回私は原告代表として、真面目に納税している県民の思いを伝えたくて意見陳述をさせてもらった。
さらに、オンブズマン幹事の原告代理人が被告の答弁書に対する反論を述べた。「本件訴えにおいては、西川一誠に対する請求を求める訴えを除いて相手方が具体的に特定されておらず、これら訴えは地方自治法が法定する訴えの要件を欠き、不適法である。」との主張に対し、「本件のごとく、多数の支出行為が対象となっている場合には、全ての支出の財務会計上の行為について、県民が調査することは不可能。被告である知事が明らかにするべき。」と意見した。
これに対し、被告代理人は、「県警の自主調査報告書に記載してある件数と金額の内容について情報公開請求をすれば特定できるはず。こちらが明らかにする必要はない。」と猛反論。あまりの激しいやり取りに、ここで予定10分間の休廷。
再開後も、原告代理人3人の「情報公開請求をして、その手続きに日数を費やし、そのうち請求期間が過ぎてしまう、というような非現実的なことを法制度は求めていないはず。」との主張に、あくまで原告に特定せよと主張する被告代理人。
息詰まる代理人同士の激論は、法廷ドラマの場面のごとし!
集った報道関係者も、傍聴者も息を潜めて聞き入った。
同じ論点を、市民、行政、どっちの立場で考えるかで、180度違う解釈になるのを、あらためて実感した。
今後の日程です。
●10月12日(火)=原告側準備書面提出期限
●11月12日(金)=被告側答弁書提出期限
●12月 6日(月)=進行協議(11:00)→ 口頭弁論(11:30)
(事務局 伊東晴美)
| 固定リンク
「主張」カテゴリの記事
- 大野市に要請書(2019.02.01)
- 公文書公開請求書の改ざん問題(2018.05.15)
- 上脇教授の講演(2018.04.17)
- 県議会に公務雑費の廃止を求める申入れ(2017.12.22)
- 県会が政活費領収書は原本提出に(2017.11.28)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
歴史的弁論ご苦労様でした。
私が裁判所に着いたのは2時20分頃。ちょうど福井TVも帰るところでした。それで、もう終わったかなと思って法廷をのぞいてみるとまだ閉廷していないようでしたので、傍聴することにしました。
私が傍聴に入ったときは、合議で休廷中のときです。私が入ってからも、裁判官が出てくるまで随分長かったですね。さんざんもめたのでしょう。右陪席と裁判長・左陪席とがやりあっておられたのではないでしょうか。顔色では分かりませんでしたが、右陪席の座る位置が微妙に裁判長に背を向けているように感じました。
原告代理人は被告に財務会計行為を特定せよと迫り、被告代理人は自分で情報公開請求して特定せよと突き放していました。そのときに、裁判長が「原告はこの点について主張をして、被告はそれに反論してください。」と議論をまとめたので、思わず、傍聴席から「それは違うでしょう!」と発言をしてしまいました。
傍聴席からの「不規則発言」はちょっとしたハプニングでした。裁判長は怒り、書記官は想定外の事態にびっくりし。
でも、私が傍聴席から述べたのは、裁判所の姿勢に対して異議を唱えたのです。裁判所が訴訟指揮権を行使して被告に対して財務会計行為を特定しろと釈明を求めればよいのです。住民訴訟の構造、意義を考えれば、裁判所が行政に対して積極的に釈明を求めるべきなのです。日本は法治国家です。法治国家では裁判所が行政を統制するのです。ならば、原告が先に主張しろというのではなく、裁判所が被告に特定させればよいのです。何をためらっているのか。何を福井県の肩を持つのか。裁判所は裁判所らしくあれ。そう言いたかったのです。
本件裁判は、警察が犯罪行為をしてよいのかということを問うと同時に、裁判所が法治国家における裁判所らしくなることを問う訴訟です。裁判所が変わらないと、行政も変わらない。民主党政権の現在の是非はともかくとして、昨年、日本で歴史上初めての「民衆による革命」が実現したのは事実です。今度は、私たちで、まず福井の裁判所を変えましょう。
投稿: ゆかわ | 2010年9月12日 (日) 09:11