« | トップページ | »

2011年1月30日 (日)

総事業費5億3800万円の「あさくら水の駅」と“電動の”水車

昨年(2010年)5月に福井市の一乗谷朝倉氏遺跡がある地区に「一乗谷あさくら水の駅」が完成。現地を見に行った幹事の一人が、説明板(プレート)に水の力と謳った水車が実際は電動モニターで回転していることに気づいたことをきっかけに、総事業費5億3800万円の内訳が分かる資料を情報公開請求。公開された資料を基に①全体の設計 ②施設の展示物 ③三連水車 ④用地取得・・の4つの観点から、昨年12月16日に公開質問を行なった。期限から3日遅れの年明け(2011年)の1月17日付けで市長名による回答があったが、到底納得のいく内容ではなかった。

 たとえば、用地取得費として支出されたのは1億2700万円余りだが、某所の鑑定評価書を基に原野、田、畑も一律で1㎡あたり1万2千円(坪当たり約4万円)という破格の評価をしていることへの疑問点には鑑定評価書の内容を繰り返した回答に過ぎなかった。

 唯一具体的だったのは、先述の揚水水車の説明板を「流れてくる水の力で低いところから高いところへ水をくみあげることができます。」との記載から「流れてくる水を低いところから高いところへ水力及び電力でくみあげています。」と訂正するとした回答で、幹事が現地調査をしたからこその成果である。

一方、当初の設計条件では「年間を通じ常時回転」「水位及び流速が変動した場合にも揚水量を確保」とあるにかかわらず、水車が回転しないのに気づいたのはいつの段階なのかという質問には答えていない。ところが、この問題を取り上げた地元新聞記事によると、担当課が「電動でなければ回転しないことは設計段階から予想していた」と説明した由・・・矛盾している。2連の揚水水車と1連の動力水車、それに水車小屋の設置で約3820万円。今冬、福井県はどこも大雪だが、暖かくなったら、訂正なったプレートと「水力及び電力でくみあげている」水車をありがたく拝見してくるつもりである。

(事務局 伊東晴美)

|

« | トップページ | »

主張」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 総事業費5億3800万円の「あさくら水の駅」と“電動の”水車:

« | トップページ | »