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2011年11月

2011年11月26日 (土)

政務調査費自作の領収書に市民の怒りの声

福井市議会の2010年度政務調査費において監査が必要だと思われる支出について、11月8日に住民監査請求を行った。

○ 政務調査費の支出には、証拠書類として領収書の添付のほか、活動記録簿に支出内容を記載する。今回の監査対象のひとつが、この活動記録簿と領収書の筆跡が酷似している議員の支出だった。しかも、振出人問わずどの領収書も市販の同じ書式で、監査請求には3例を資料として提出した。

 監査請求の翌日、当議員が取材を受け、3例の領収書は自作であり振出人も架空であると認めたという記事が各紙上に掲載された。その中に「通らないと思って提出したら、審査を通ってしまった。考えが甘かった。」との氏のコメントがあり、この記事を見た市民から「非は自分自身でなく審査した側にあるというのか?!」との怒りの電話がかかってきた。

 政務調査費は、議員報酬ではない。報酬とは別立てで、議員の調査研究に資するために必要な経費の一部として交付されるもので、原資は市民の税金。であるから、政務調査費の支出には、議員の自立性のみならず責任感が強く求められる。市民の怒りはもっともである。

○ さらに当議員は「審査」という言葉を使ったようだが、政務調査費の支出において審査をする機関はない。

 ちなみに福井県議会の政務調査費においては議長には調査権があり、その議長の調査等を、具体的には、議会事務局が書類確認や相談実施というかたちで行うことが運用マニュアルに明記してある。一方、福井市議会政務調査費においては、議長には調査権はないし、マニュアルにも、議会事務局の書類確認や相談実施等のことわりもない。まして“審査”もしくはそれに該当するような記載はない。

 領収書の自作(偽造)は、政務調査費の「使途の透明性の確保」を規定した地方自治法に基づく「政務調査費の証拠主義の原則」を揺るがすものであり、「考えが甘かった」ということで済む“甘い問題”ではないと、私たち市民は“考えている。”(事務局 伊東)

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2011年11月 9日 (水)

福井市議会2010年度政務調査費支出に監査請求

 11月8日に、4日に行った県議会に続いて、福井市議会の2010年度政務調査費支出についても監査請求を行った。総額は約370万円。対象は9項目。

■本人手書きの領収書

 ある中堅議員の支出資料から、活動記録簿に記載された本人の手書き文字と、添付されている領収書の文字が酷似している事例がぞろぞろ出てきた。領収書の振出人は出席した会合(懇談会等)の団体で、金額はその会費だが、振出人に関係なく市販の同一の書式。

 この議員の全領収書について調査を求めたが、11月9日付けの地元新聞紙上によると、当の議員は手書きを認め、印は後日その手書き領収書に押してもらったとし、「領収書を自分で書いたことは問題だと自覚している。管理がずさんだった」と弁明したとある。問題なのはずさんな管理だけ、だろうか。監査委員にはずさんでない調査を期待したい。

■19件の懇談会に疑念 

 意見交換会等を名目にした会合に会費を支出している事例が非常に多い。会費の額はなぜか上限額の5千円がほとんどで、同じ団体の会合に10回前後出席している事例も2,3ある。

 情報交換や意見交換に飲食を共になさるのはご自由でしょうが、公金である政務調査費を安易に飲食費に支出するのは如何なものでしょうか。

■2009年度より約450万円増の広報費総支出

 前回(2009年度)の全議員の広報費支出合計は総支出の約33%だったのが、今回は約45%にアップ。2011年に改選を控えていたことと無関係ではないだろうと思われ、ある議員は3月31日に、8月比9倍の枚数を発行した広報紙の費用40万円を支出していた。ほかにも、そもそも政務調査費を充当できる広報紙の中味はどうあるべきか考えてほしい事例も少なくなかった。

※ほかに金額は小額ながら、政務調査活動ではない政党活動や後援会活動に支出していた事例も監査請求の対象とした。

★議長に「要改善申入れ書」も同時提出

 監査請求の内容、また運用面で一考してほしい点等も含め、監査請求日同日に議長に「2010年度政務調査費支出上の要改善点の申し入れ」を書面で行った。

 政務調査費はあくまで議員としての調査研究費用であり、議員が自由に使っていい報酬費ではないし、何よりその財源は市民の税金であり、日々家計のやり繰りに追われる市民の経済的負担によるものだということを、全議員にもっともっと認識してほしいと思う。

 だから全議員にも目を通してもらいたく、全議員分「写し」を用意して議会事務局に配布を依頼してきた。申し入れ書には該当する議員名も記載したが、配布されたのは議員名が全部黒塗りされたものだったという情報があった。その確認はできないが、本当であれば議会事務局の行為は市民には感じの良いものではないのは確か。(事務局 伊東) 

 

 

 

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2011年11月 7日 (月)

県議会議員の安易な旅費支出に住民監査請求

◆「支払証明書」の精査を求める

 11月4日に「2010年度福井県議会政務調査費に関する住民監査請求」を行った。

 今回のメインは「支払証明書による旅費支出」。今回返還の対象にしたのは5件の事例だが、これ以外の全ての支払証明書の精査を求めた。膨大な政務調査費資料の全てを詳細に検証するのは、一般市民にはできない。

◆例外規定の濫用 

 証拠主義を原則とする政務調査費だが、旅費、交通費等において領収書等が入手できなかった場合でも、福井県議会においては「支払証明書」に記入すればで支出できる。が、最大限の努力をしてもなお入手できなかった場合という例外的な措置である。にもかかわらず、「支払証明書」で安易に多額の支出をしている事例が少なくない。

 交通機関を利用すれば領収書の入手は容易であるし、短区間の利用で入手できなかったような場合は乗車券のコピーでもいい。ホテルでは、拒否しない限りフロントで領収書を渡される。だが、添付なしで「支払証明書」に交通費と宿泊費を記入して支出している例が多い。

 自動車で移動した場合には高速料金以外、領収書等の入手は困難であるのは仕方ない分、「いつ、どこに、何の目的で、誰と会うために」行ったのかの活動内容についてより詳細に説明されなければならない。が、「支払証明書」の記載は曖昧でさっぱり分からない。また遠距離の出張や視察については「視察報告書」が添付されてはいるが、こちらの記載も不十分極まる。

◆鳥取県議会は見直し

 鳥取県議会は、4月に市民オンブズ鳥取が行った住民監査請求に対する県監査委員の「県外交通費は、宿泊費と同様に領収書による実費を原則とする」との勧告(6月)に従い、7月の議会改革推進会議で、「領収書が発行されないものについては、政務調査費の対象としない」という文言に改めることなどを協議したという。(7月23日付け毎日新聞)。鳥取県の監査結果は、今回の監査請求の添付資料とした。今回の私たちの監査請求が「支払証明書」による支出が抜本的に見直されるきっかけになるのを期待したい。

(事務局 伊東)

 

 

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