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2012年3月

2012年3月29日 (木)

「口利き記録制度」

福井市の「口利き記録制度」~スタートから8年余りで117件

◆ 福井市の職員に対する要望、相談をすべて記録する「口利き記録制度」がスタートしたのは2003年11月。もちろん議員からのそれも含む。

 報告内容は「職務に関する働きかけ受付記録票」に記録され、目録も作成されている。

 1ヶ月後(2003年12月)の報告件数は12件、3ヶ月後は36件と、当時の地元新聞紙上が伝えている。

 「働きかけは格段に減った」、「職場の雰囲気が変わった」「健全な市政運営のため、制度の目的をさらに周知徹底したい」との効果の一方で、「記録する側の意識の差」等で、件数や内容が実態を反映するまでには至っていないとの見方もあった。(同紙上)。

◆ その後は記事に取り上げられることもなく、私たちの情報公開請求時のメモによると、2006年4月時点で91件、そして先日、2012年3月時点では117件だった。

 件数は制度スタート時からの積み上げなので、ずいぶん件数が減ったことになるが、一般的な相談さえなかったとは考えられない。

 職員に制度が周知徹底されていないのではないだろうか。市民の関心も薄れている。新聞記事も、先述の1ヶ月後、3ヵ月後の2件以降目にしたことがない。

 

 しかし、先日情報公開請求した記録票には、職員課に、一市民が「職員の異動について」要望を行った内容があった。制度がなければ、職員がこのような事態を抱え込むことにつながりかねない。

 記録票も目録も、情報公開請求すれば誰でも見ることができる。

 「市役所の古い体質を3ヶ月で変えるのは難しい。記録制度によって市民に監視されているという緊張感が生まれれば、適正な行政執行の確保につながる」というのは、当時の総務部長の見解だが、制度スタートまでには紆余曲折があった。せっかくの制度を形骸化しないように、市民の関心を呼び戻したい。(事務局 伊東記)

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