福井市議会政調費マニュアル改正決定
5月9日昼、NHKテレビで、福井市議会の議会運営委員会(8日開催)で「政務調査費マニュアルを改正すると決めた」とのニュースが流れた。
同9日の朝刊の記事は地元紙も含めかなり大きな扱い。さっそく福井市の情報公開室に電話。議会運営委員会の議事録とマニュアル改正版を情報公開請求したいので、資料が出来上がったら連絡してほしいと依頼した。
それで、改正の詳細内容についてはこれらの資料待ちになるが、2月2日に私たちが行ったマニュアル改正の申入れと報道内容とを照合してみた。
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申入れは主に3点。
2009年度分、2010年度分の政務調査費支出に対する住民監査請求に対し、監査委員が具体的にマニュアル改善を指摘した点である。
(1)懇談会費/酒食を伴う飲食経費を認めない方向での検討を指摘。
(2)前払い費用/サービスの提供を受ける前に支払われた前払い費用に指針を定めるよう指摘。
(3)事務所費/事務所台帳の提出と、議員が経営する法人と共同使用している例などにおける事務所費の取扱いを明確にするよう指摘。
これらに対し、今回の改正点は以下の通り。
(1)については、飲食を伴う懇談会費への支出は原則認めない。
(2)については、年度をまたぐ場合は該当する年度内の月数に換算して計上するとの規定を設けた(雑誌などの年間購読料)。
(3)については、事務所台帳の提出を義務化、議員が経営する法人と共同使用する事務所費の政務調査費支出は認めないとする。
■所感
福井市議会政務調査費の支出証拠書類が公開(閲覧)されるようになったのは2008年度分から。
08年度分については、全議員対象に、支出上の疑問点に関する公開質問(共通項目+個々議員への追加項目)を行なった。それらの回答を今読んでみると隔世の感?があり、議員の回答における認識ばかりでなく、私たちの検証力も甘かったなぁと思う。
2009年度分については住民監査請求を行い、監査委員の真摯な調査姿勢が貫かれた監査結果に感動した。が、議員諸氏にはそれほどでもなかったようで、監査委員のマニュアル改正の指摘は完全無視された。
2010年度分の住民監査請求で突出していたのは青木議員(3期目)の領収書偽造の発覚だった。
青木議員はなんと自ら08年度分から偽造を続けていたと認めた由。それに気づかなかった私たちにも反省の余地はあるが、政務調査費制度の根幹を揺るがす重大事件に対し、議会として厳正な対応をとるよう議長に申し入れた。
ところが、この点については議長室に青木議員が呼ばれ厳重注意をされたというにとどまった。
憤懣やる方ない思いをしたものの、今回の改正の実施は、この事件が議員に、市民からの信頼が揺るぎかねない危機意識をもたらしたのは間違いないと思う。今回の改正マニュアルが適用されるのは2012年度分の支出から、来年の検証作業が大いに楽しみ?である。(伊東)
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