秘密保全法の危険な本質とその狙い
4月20日、私たちは代表幹事の吉川健司さん(弁護士)による講演会「秘密保全法って何?」を行いました。会場から「この法案はオンブズマンだけの問題ではない。市民の生活そのものが脅かされるなかみだという点を、もっともっと広く知らせなければ!」との意見がありました。吉川さんは「秘密保全法の危険な本質と狙い」と題するレジュメに沿って、次のように話を進めました。
1 秘密保全法に関する情勢/4月16日に安倍首相が衆議院予算委員会で秘密保全法案を早期に国会に提出する旨明言
2 「特別秘密」とは何か
(1)曖昧で無限定/「特に秘匿を要する」「その漏えいにより国の重大な利益を害ずるおそれがある」情報。「国の安全」、「外交」のほか「公共の安全及び秩序の維持」に関する分野の情報も含まれる。
(2)誰が「特別秘密」を指定するのか/第三者がチェックする仕組みがない。
(3)どこに「特別秘密」があるのか/国、地方自治体のほか独立行政法人、大学、民間会社、研究所等・・・
(4)広範な情報が隠されるおそれ/政府にとって都合が悪い、明らかにしたくない様々な情報は、国民の目から隠される危険性が大(原発関係、健康、環境に関する情報など)
3 罪刑法定主義違反の罰則
(1)漏えい行為を処罰/故意だけでなく過失も処罰の対象
(2)特定取得行為(秘密探知行為)を処罰/未遂も処罰
(3)共謀・教唆・扇動を独立した犯罪として処罰/内心、表現行為の処罰とほとんど違わない
(4)重罰化
(5)弾圧に悪用される危険/密告の奨励につながる危険
(6)裁判を受ける権利の侵害/裁判の公開の原則との矛盾は・・
(7)市民の権利と自由が抑圧、弾圧される危険
4 適正評価制度
(1)調査対象者/公務員のみならず研究者・労働者(大学、民間企業、研究所)等も
(2)調査実施者/公務員の行政機関の長ほか
(3)調査事項/重大なプライバシー侵害が秘密に合法的になされる
(4)評価基準/非公開
(5)職場/思想信条差別とプライバシー侵害が持ち込まれる
(6)既に始まっている思想調査/法的根拠がない現在でさえも
5 民主主義・国民主権の危機
6 秘密保全法は国民にとって必要か/国民の利益に反する秘密主義
7 秘密保全法の本当のねらい/軍事情報保護、情報隠しで国民の声封じ悪政、改憲へ
8 オンブズ活動としてどう取り組むか/オンブズ活動を制限、禁止する法案への反対
(記/伊東)
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