県議会政調費1300万返還請求に36万違法判決
<09年度福井県議会政調費充当金返還請求訴訟に、7月31日地裁判決>
福井県議会の自民党県政会が、2009年度の政務調査費で、年度末に行った海外視察の旅費について、その全額を返還請求するように知事に求めた住民訴訟の判決が、2013年7月31日に福井地裁で言い渡され、返還請求額1327万1090円の支出中、36万8600円を違法支出とした。36万8600円は、海外視察の日程の中でとられた食事代(朝食、夕食)である。
◆海外視察は3ルートで行われた。
①ニュ―ジーランドは、2010年3月24日から3月30日までの日程で6議員が参加し、旅費は615万7965円。②台湾・シンガポールは、同年3月21日から3月25日までの日程で4議員が参加し、旅費は256万3400円、③デンマーク・スウェーデンは、同年3月23日から3月29日の日程で4議員が参加し、旅費は454万9725円。
今回の判決で違法支出とされた食事代は、ニュージーランド視察が18万円、台湾・シンガポール視察が6万6千円、デンマーク・スウェーデン視察が12万2600円。
例えば、ニュージーランド視察の18万円の内訳は、朝食付き宿泊代金(2件=20万1千円)中、食事代金に相当するとした3万円と夕食5回分の代金15万円の合算だが、ニュージーランド視察の旅費は、先述の通り615万7965円である。
◆ 判決は、海外視察の3ルートは、県政との合理的関連性があると認め、県政と合理的関連性があれば良しとした。
また、政務調査費を用いてどのような調査を行うかについては、議会と会派の良識的判断に委ねられているとし、私たちが主張した「政務調査費を充当して行う海外視察の目的、有用性」についてはふれず、議会と会派には良識があるとの前提に立っている。これでは、政務調査費支出の基準である「政務調査費運用マニュアル」は無用であると言うに等しい。
判決文には、原告の指摘を一部受けた部分、例えば「人口密度も比べものにならない、福井県とは全く異なる台北、シンガポールの大都市を視察しても、今後の県政に有用性を持ち得るか甚だ疑問」・・・云々があるにもかかわらず、食事代のみに違法性を認めたのは、肩すかしをされたようで釈然としない。
◆ 公金(税金)から議員に交付される政務調査費は、その制度の趣旨に沿って適切に支出されなければならない。まして多額の旅費を支出した海外視察であるならば、特に明確な目的と必要性が求められる、というのが私たちの一貫した主張だった。食事代については特に主張しなかった。卑近なたとえで恐縮だが、刺身を注文したら、刺身のつまだけがもってある器が出てきたような…気がした。
控訴の有無は近々に会議で検討する予定。 (事務局・伊東)
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