「特定秘密保護法」の制定に反対する声明
「特定秘密保護法」の制定に反対する声明 市民オンブズマン福井 特定秘密保護法案は、その概要が9月に公表されたあと、10月25日に国会に提出され、11月7日には衆議員で審議入りした。9月に実施された特定秘密保護法案に対するパブリックコメント募集の期間がわずか2週間だったにもかかわらず、9万件の応募があり、約8割が反対意見だった。ところが、国民多数の反対意見を無視するかのように、政府は猛スピードで成立を強行しようとしている。 秘密保護法は市民オンブズマン活動と完全に対立する 私たちは、自治体や国の情報公開制度を活用し、さらに新聞雑誌等の記事や、時には市民による情報提供といった様々な情報に基づいて、行政の不正支出や違法を明らかにし、是正する活動を行ってきた。 特定秘密保護法は、①本来公開されるべき情報を「特定秘密」に指定して非公開にする、②「特定秘密」を洩らした人や洩らすようにそそのかした人等を処罰する、③「特定秘密」を扱う人・その周辺の人について「適性評価」の名目で思想信条に関係することについても調査を実施する等、私たちの活動と完全に対立するものである。 秘密保護法による市民オンブズマン活動への影響 全国市民オンブズマン連絡会議は、これまでの市民オンブズマンの活動から、特定秘密保護法の制定によって制約を受ける可能性のある活動を拾い出し、情報の公開に対する影響と市民オンブズマンの活動に対する影響の二つの側面から評価を試みた。その結果、「特定秘密」の指定を受けると思われる活動が多数存在することが分かった。 情報公開制度への悪影響 もともと、行政には本来公開すべき情報まで非公開にして不正を隠蔽しようとする根深い傾向がある。例えば、福井県は、1994年から1997年の間にあった21億6000万円に及んだ福井県庁カラ出張問題で、それらの自主調査の裏付け資料である「取りまとめ文書」を非公開にした。 このような現状であるにもかかわらず、特定秘密保護法が制定されれば、行政の情報公開に対する消極的な姿勢に拍車がかかることは想像に難くない。 さらに、福井県は、現在でも、住民の生命と安全に関する重要な情報である「福井県の原子力発電所の重大事故を想定し、滋賀県が実施した放射性物質の拡散予測図」さえ非公開にしている。14基の原子力発電所を抱える福井県において、東京電力福島第一原発事故以降、一層の情報公開を求める県民の要望に逆行する頑なな姿勢に変わりはない。 もし、特定秘密保護法によって、原発の安全性や住民の安全に関する情報が「特定秘密」に指定されれば、住民は、何も知ることができないまま危険な状況に陥ることになりかねない。さらに、原発への賛成、反対を問わず、市民が原発の実態や運用を知ろうとすることさえ、特定秘密保護法違反とされる可能性もある。 民主主義に逆行の悪法 以上の通り、特定秘密保護法は、「知る権利」の保障、民主主義、おかしいことをおかしいと言える社会の実現に逆行するものである。私たちは、特定秘密保護法の制定に断固として反対する。 2013年11月18日
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