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2014年3月10日 (月)

「口利き記録制度」の形がい化?

 

「口利き記録制度」の形がい化?

 

 

 

通称「口利き記録制度」が福井市でスタートしたのは2003年(平成15年)。市会の一会派が開いた宴席に、大型予算を抱えた担当課長十数人と特別職が出席していたと新聞が報じた(同年7月)のがきっかけだった。 

 

 

 

当然市民の批判が高まり、私たち市民オンブズマン福井も即、書面で口利き記録制度の早期導入を申し入れた。

 

報道の翌月に、弁護士ら第三者を含む制度検討委員会が設置され、11月1日、職員が職務に関する要望、相談を受けた場合、すべて記録票に記載するという「職務に関する働きかけの記録等取扱規程」が施行された。 

 

 

 

このような経緯から、当初は関心も高く、さらに記録票の内容は情報公開の対象とされたため、地元新聞も1か月後、3か月後の状況を詳細に報道している。

 

ところが、ふたつの記事を読みなおしてみると、先の記事が、どちらかと言えば制度への期待感を表していたのに対し、それから2か月後の記事は、制度が実態を反映するまでに至っていないという内容で、「市役所の古い体質を3か月で変えるのは難しい」との、当時の総務部長のコメントも載せていた。

その後約10年間は、制度をとりあげた記事を目にした記憶はない。 

 

 

 

記録票の件数も激減。先日情報公開請求をしたところ、2010年(平成22年)9月1日付の「117件目」を最後に報告の記録が途絶えていた。そもそも職員が制度を周知しておらず、また周知させる工夫も取り組みも行われていないというのが現状のようだ。 

 

 

 

制度の目的は、単に不当な要望を排除するだけではない。市への要望、やり取りを、担当した職員だけが抱え込まず、全職員が情報として互いに共有するためのシステムである、職員が風通しのよい環境で働くのは、市民にとって大きなメリットではないだろうか。(伊東)

 

 

 

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