福井県議:政調費海外視察費/返還訴訟控訴審判決
2014年5月28日 平成25年(行コ)第6号(2009年度福井県議会政務調査費充当金返還請求事件)名古屋高裁判決について
市民オンブズマン福井
標記の判決について、以下、判決要旨と私たちの見解です。
1 判決要旨
<主文>
1 一審原告らの本件各控訴をいずれも棄却する。
2 一審被告の控訴に基づき、原判決中、一審被 告部分を取り消す。
3 上記取消しに係る一審原告らの請求をいずれ も棄却する。
4 訴訟費用(補助参加によって生じた費用を含 む。)は、第1、2審を通じ、一審原告らの 負担とする。
<第3 当裁判所の判断>
1 判断(抜粋) (略)視察日程、視察内容ともに福井県の県政と合理的関連性があり、視察目的と視察内容との間に整合性も認められ、有用性、必要性が明らかに欠けるといえないものと判断する。
2 私たちの見解
要するに、食事代の部分を取り消した上に、議員に甘い一審判決を踏襲しただけの判決である。 「実質的には海外研修に名を借りた観光中心の私的旅行というべきであり」、「議会の審議能力を強化し、議員の調査研究活動の基盤の強化に資するものではない」などとして、県に対し全額を返還させるよう命じる内容だった「東京高裁判決」(2Pの注2を参照)が5月19日に確定したが、この東京高裁の確定は反映されるどころか、一顧だにされていない。上告の方向で、近々の幹事会で検討する。
≪経過≫
福井県議会の自民党県政会が、2009年度の政務調査費で、年度末に行った海外視察3ルート(注1)の旅費について、その全額を返還請求するように知事に求め、2010年12月28日に提訴。
第一審判決(2013年7月31日:福井地裁)は、返還請求額1327万1090円の支出中、視察中の日程の中で議員がとった食事代の36万8600円のみを違法支出とした。政務調査費による海外視察は県政との合理的関連性があれば良しとし、3ルートは県政との合理的関連性があると認めたので、原告らは同年8月7日に控訴した。(県側も8月13日、視察中の食事代は認められていると控訴。)
2014年1月27日に控訴審第1回弁論、同年3月26日の第2回弁論で結審。
原告らが控訴理由書(原告ら第1準備書面)に引用した「東京高裁平成25年9月19日判決」(注2)は2014年5月に最高裁が県の上告を棄却している。
(注1)
ニュージーランド(6名で615万7965円)
台湾・シンガポール(4名で256万3400円)
デンマーク・スウェーデン(4名で454万9725円)
(注2)
山梨県議ら11人が公費で行った海外視察の旅費など計約850万円について、同県市民オンブズマン連絡会議のメンバーが同県の知事を相手取り、県議らに返還請求するよう求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷は県の上告を棄却した。全額を返還請求するよう命じた東京高裁判決が確定した。決定は5月19日付け。
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