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2014年9月

2014年9月10日 (水)

<声明>8月27日の判決に控訴せず

平成22年(行ウ)第6号県警違法支出返還請求事件  

 8月27日の福井地裁判決について   

2014年9月10日  

市民オンブズマン福井 

 

 

1 判決の概要

 

(1)特定問題/原告主張容認(結審までに具体的に特定すればよい) 

 

(2)違法性/原告主張容認(不適正にとどまらず違法)

 

(3)責任/原告主張(故意)に近い「重過失」

 

(4)損害/原告主張(損益相殺は認めるべきでない)否定請求棄却


2 私たちの見解

 

福井県警察の不正経理が違法であること、しかも違法な経理処理が、計画的、組織的に5年以上にわたって、警察本部及び各警察署全体において広く行われ常態化していたことが、福井地裁判決で明らかにされた。

 これにより、「福井県警察が自主調査により決着させた不正経理問題の追及」という、私たちの提訴の目的は達成されたと考えるものである。よって、損害がないとされた点には納得できないが、控訴をせず、判決を確定させることにした。

 

ところが、福井県警察の「主張が裁判所に認められたものと認識している」とのコメントには、違法を取りしまるべき組織自らが違法行為を行っていたことを、司法により明確に断罪されたことへの反省のかけらもみられない。地裁判決を正当であると公言した以上、2010年2月以降の再発防止への取り組みを検証する機会を設け、県民に明確に示すべきである。

 

市民オンブズマン福井としては、今後も、福井県警察において、コンプライアンスへの改善がみられるか、不正(違法)な経理処理がなされていないかを注視し、再発の疑いがあれば厳しく追及していく所存である。


以上

 

 

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2014年9月 9日 (火)

新幹線とトンネルの話

 新幹線とトンネルの話 (幹事 大久保公夫)

 お盆前、青森に帰省した。日本海に沿って走る寝台列車が廃止となり、東京経由で東海道~東北新幹線を乗り継ぐほかなくなり、料金も上がった。新幹線をつくると、それに乗せるようにするのがJRの方針らしい。

 

 新幹線は「トンネルを掘るためにあるのではないか?」と思うのは小生だけだろうか。盛岡から新青森までわずか1時間だが、区間のほとんどがトンネルだ。速いのだが、景色も風情もあったものではない。こうまでするか!どの新幹線でも同じことだが・・・

 もうすぐ金沢まで新幹線が来る。「バラ色の絵」が喧伝され、「在来線がどうなるか」なんていう話はほとんど出てこない。それどころか、福井まで来る前から「早く敦賀まで」、「大阪まで」の声が響いている。この声が「もっと長いトンネルを掘りたい」と聞こえる小生の耳はおかしいだろうか。

 「無駄な公共事業」に対する批判が後退し、財政難も、費用対効果も、環境に対する影響も軽視されたまま、本当に便利になるのか?という疑問も置き去りにされたまま、「とりあえずの経済効果」だけが走っているように思われてならない。


* いつまでも歩けるようにと、50の頃から道歩きを始めた。ひまを見て旧北陸道や奥琵琶湖を1回に15㎞くらい歩いているが、そのたびに「男は1日10里」という昔の人の健脚に驚かずにはいられない。

 旧街道には寺や神社が多く、今庄までの間には鯖江武生のほか、浅水・水落・湯尾などの宿場跡や茶屋の跡、一里塚の跡などがある。奥琵琶湖には、塩津・大浦・今津などに水運で栄えた面影が残る。人と物がゆっくりと移動することによってもたらされた、ささやかな賑わいの跡である。


 そういうものを見ながら10年ほど歩いているうちに、「新幹線や高速道路は通過地点を繁栄させることはなく、大都市や大手企業に富を集中させる太いパイプだ」と思うようになってきた。「バラ色の絵」は、「地方の絵」にはなるまい。


* 「もっと早く、もっと便利に」という価値観に反対するのは馬鹿げているのだろうし、誰も抵抗できない。しかし、それによって失われたものは大きい。県内各地の疲弊を目の当たりにして「それだけでいいのか」と問うことは許されるし、問われるべきだと思う。地域が自立し、人々が生活を立てていく上で、日本列島に穴を掘り、コンクリートを入れ続けることが正しい方向だとは思えない。 
 (2014年9月会報)

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