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2016年4月

2016年4月27日 (水)

  2011年度福井県議会政務調査費人件費等返還請求事件

 

 ― 訴訟判決についての見解 

                           2016年4月27日/原告団 

(平成25年(行ウ)第2号の判決について)

 1 控訴について 

 4月13日の判決は、知事に対し、実質的におよそ80万円の返還を求めるよう命じた。
 金額と裁判所の判断の根拠についての不満は残るが、
 3年余の弁論を通じて、「何も わからない状態」から 

①3名の議員が雇用した職員の 勤務実態を明らかにし、②一部とは言え、裁判所に支出の不当性を認めさせた ことにより、訴訟の目的を達成できたと考える。  

よって、原告団としては控訴はしないこととした。

 2  福井県議会に対する要望

 政務調査費は、2012年度の地方自治法改正により政務活動費と名称をあらため、議長に対して、使途の透明性の確保に関する努力義務が明文化された。 しかし、政務活動費の使途については、全国各地で続々と不正が明らかになっている。   

  福井県議会においては、本件訴訟で不正が明らかになった人件費を初めとして、透明性の確保を見直し、政務活動費の運用にあたっては、より緊張感をもって、不正や無駄のない政務活動費の運用に努力するよう強く求めたい。

 (以上 )

 ★2016年4月13日 (水) 

判決「2011年度福井県議会政務調査費人件費等充当金返還請求」 http://3courage.cocolog-nifty.com/ombuds_fukui/2016/04/post-832a.html

 

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2016年4月13日 (水)

判決「2011年度福井県議会政務調査費人件費等充当金返還請求」

判決「2011年度福井県議会政務調査費人件費等充当金返還請求」

 ▼4月13日、福井地裁判決で返還命令

 標記(平成25年(行ウ)第2号)に対し、福井地裁は4月13日、訴訟相手方ABCの3議員中、A議員に人件費33万7千円、C議員に人件費42万676円と書籍購入費1680円の返還を命じました(但し、C議員は判決前に任意返還済み)。B議員に対する返還命令は出ませんでした。

概要と経緯を以下にまとめます。 

▼2013年2月27日に提訴(原告4名の本人訴訟)

  2011年5月から12年3月に支出された福井県議会政務調査費の内、3議員の人件費(補助職員賃金)約360万円と1議員の書籍購入費約7万円に対する返還請求を福井県知事に求めた。

 政務調査費で認められている補助職員賃金は、議員が行う調査研究を補助する職員を雇用する経費だが、3県議の人件費の報告書は、補助職員の業務内容が抽象的で勤務実績の記載もずさんであり実態が分からず信用できない、書籍購入は非常に安易で節度がないのが提訴の理由。

▼審理

 弁論は17回、12回までは前裁判長、13回から現裁判長。 補助職員の勤務実態を証明する証拠等を求めた原告の求釈明については、前裁判長の訴訟指揮により、補助職員の政務調査に関する業務成果物として写真(ファイル、スクラップ等)並びにそれらの写真の現物が持ちこまれたのを始め、書籍については表紙と目次の写し、送迎業務を行っていた補助職員については送迎用務先一覧表が提出された。



▼原告が最終準備書面で求めた請求額

 証人尋問(15回弁論)を含めたそれまでの弁論を総括して、原告が最終準備書面(2016年1月15日付け)において求めた返還内容は以下の通り。

①A議員=支出の8割以上

②B議員=1回の勤務時間から1時間を差し引いた残りの時間に対する支出
③C議員=送迎業務の369時間分(468時間分―99時間分)及び送迎業務以外は457時間の3分の2(304時間分)超

▼判決について

①A議員=按分割合が2分の1を超える支出は違法

 毎月20万円支払った給与(11か月分=220万円)の約3分の2相当(143万7千円)を政調費から支出。

 福井地裁は、「政務調査補助業務とそれ以外の業務(後援会活動等)を渾然一体として処理しており峻別は困難。使用実態による按分が困難な場合の按分処理については、マニュアルは2分の1を上限としているので、按分割合が2分の1を超える支出は違法」と判断し、33万7千円(143万7千円―110万円)の返還を命じた。

 原告としては、2分の1の規定で線引きした地裁の判断には、不正支出を少しでも減らそうという意欲をあまり感じられなかった。

②B議員=返還命令無し  

 補助職員の給与を全額(79万6390円)政調費から支出しているにも係らず、「一般的な事務職員としての業務も、調査研究活動を補助する側面があり、調査研究活動とは無関係ということはできない」とする福井地裁の判断には、原告として納得できない。

③C議員=判決前に任意返還

 書籍購入(約7万6千円)については2回購入した同じ書籍の1冊分(1,680円)の返還を命じた以外は、一般教養書籍等も多岐にわたる調査研究活動に何らかの有益な情報を提供するものとして政調費からの支出を認めた。

 人件費(925時間=137万5千円)中、送迎業務(合計468時間)については、地裁は「送迎業務用務先一覧」の「〇嶺北(南)送迎」欄に記載された185時間を除く283時間分の42万676円(137万5千円÷925時間×283時間)は違法と判断した。

  原告は先述の通り、送迎業務の369時間分、及び送迎業務以外の支出については304時間分(457時間の3分の2)超についても違法と主張していた。

※C議員は、人件費については48万200円、同一書籍の1冊分については1,733円を任意返還済み(金員含む)だった。

▼控訴=近々に検討

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