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2016年12月

2016年12月14日 (水)

市長交際費の回答に対する私たちの意見

<市長交際費の回答に対する私たちの意見>

 

 見出しの書面を、2016年12月13日、県内9市長に、関連資料と共に郵送しました。
 

市長交際費の自治体の総支出額に占める割合は微小ですが、その支出状況を見ると、市長の行政執行の考え方や行政執行の体質などが垣間みられます。

 そこで、県内8市(坂井市を除く)の2015年度の市長交際費の支出について集計を行い、さらに、9市の各市長に、それらの資料に係る公開質問(10月17日付け、回答期限は10月31日)を行ったものです。

 

★市長交際費の支出に際し、特に留意すべきであると、私たちが考えたのは、「情報公開」、「社会通念上儀礼の範囲」、「最小の経費で最大の効果」の3点です。

1 情報公開

 市長交際費の原資は市民が納めた税金ですから、公開できない、即ち市民が知ることのできない交際費支出は論外です。誰でもが見ることができるように積極的な情報公開に取り組むべきです。

 

(1)支出明細の公開

 年度別支出状況については全市がホームページに掲載していますが、個々の支出の明細については、ネット公開(勝山と鯖江)、閲覧(福井と敦賀)を除いた5市は情報公開請求が必要でした。

 

 しかし、大野市と坂井市は、広義市民以外は情報公開請求ができません。(略)
 

 鯖江市長は「市長交際費の支出を検証する最良のシステムは、だれにでも検証できるように情報をホームページに公開していることだと考えます。」と明言していますが、 支出明細の公開に係る質問への大野と坂井の2市長の回答はこの認識とは対極の内容でした。

 

(2)非公開の弊害/客観的にみることができない大野市の事例


平成18年12月1日最高裁判所の判例(平成15(行ヒ)74)は、交際費の支出が許容されるのは、それらがひいては住民の福祉の増進を図ることを目的とすると「客観的にみることができ」、かつ「社会通念上儀礼の範囲にとどまる」限りであることを示しています。
 

しかし、支出内容が非公開であれば、客観的にみることはできません。大野市長の「政策・協議費」と「接遇・渉外費」にその弊害がみられます。(略)大野市における市長交際費は機密費なのでしょうか。



2 社会通念上儀礼の範囲

(1)最高裁の判例
平成18年12月1日最高裁判所の判例(平成15(行ヒ)74=略)

 (2)自らの支出基準に沿っていない小浜市の事例 

ほとんどの市長が、市長交際費支出基準に基いて支出しているとし、また、定期監査、議会承認を受けているとの回答もあったことは判例に沿ったものだと言えます。

 
しかし、自ら掲げた基準に沿っていないと思われる支出が、支出明細に提示された行事名等からは単純に評価できないものの、多数存在しました。(略)

 例えば、小浜市長がホームページに掲げた定義は「一般的、対外的に活動する市長等が、その行政執行のために必要な外部との交際上要する経費」ですが、副議長と議長への就任祝いは外部との交際上要する経費でしょうか。(略)
 

(3)会費について

 

費目中、支出最多額が会費である市が多く、特に新年会関連は、鯖江市を除き軒並みで、支出額からもほとんどが飲食を伴うものと推認されます。
 

(略)一方、鯖江市長は「原則的に食糧費が伴う支出は自費で行っており、できるだけ交際費による支出はなくなるよう努めている。」と、明快に回答しています。この実践にぜひ続いてほしいものです。

 

3 最小の経費で最大の効果

 市長交際費支出も、地方自治法第2条第14項の「最小の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」対象です。

 

支出の判断基準である社会通念が変化しているにも関わらず過去の慣例が漫然と踏襲されているもの、支出対象が際限なく広がる可能性があるもの、客観性に疑問が残るものなどは見直されるべきです。
 

行政を取り巻く社会経済情勢の変化に伴い、公費の使途に対する市民の関心が高まっています。交際費についても、本来の目的や意義が形骸化しているにもかかわらず見直されないままになっている部分があれば、市民からの不審を招きます。
 

「各市の支出の内容や支出区分、また公開の方法について網羅的に把握できました。今後の参考とさせていただきます。」(敦賀市長)のように、今回の調査が見直しのきっかけの一つとなるように願うものです。

 

また、坂井市長からは、「他市の市長交際費の支出明細を参考に、坂井市における市長交際費の支出内容、支出金額及びその相手方等について、社会通念上妥当な範囲となっているか、さらには、必要最小限度の金額となっているか、ということを客観的に検証するための資料として活用するとともに、必要に応じて、現在の交際費の支出基準等の見直しについても検討したいと考えています。」とのたいへん前向きな回答を得ましたが、それには積極的な情報公開に取り組まれることが肝要です。さらに前向きに検討されることを期待いたします。 

 

 

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2016年12月13日 (火)

政活費の旅費と宿泊費及び日当の見直し要望書

2016年12月13日、福井市議会議長に見出しの要望書を提出しました。

 

 

「政務活動費の旅費と宿泊費及び日当について見直しを求める要望書」

 

 

 見直しの再要望

 

 私たちは、2014年10月21日に、今村辰和議長(当時)に、「政務活動費運用マニュアル改正の要望書」を提出しました(資料①)。

 

 旅費は市内、市外(目的地での交通費含む)とも実費充当を原則とし領収書を添付する、市外旅費の定額日当(2,300円)を廃止する、宿泊費は定額(12,000円)ではなく実費充当を原則とし領収書を添付するべく見直しの検討を要望したものです。 

 

同年11月27日付けの議長からの回答書(資料②)には、来期以降に考える意見も出たとあり、改選以降、議会事務局に何度か問い合わせましたが、そのような動きはないと聞いています。


2 政務活動費に関する総務省の通知

 

 平成28年9月30日付けで、総務省から全国の首長と議長にあてた通知には、「住民への説明責任の徹底や使途の透明性の向上を図るための不断の取組が議会に求められています。各議会におかれては、こうした制度趣旨を踏まえ、政務活動費の適正な取扱いについて、更なる取組をお願いいたします。」とあります(資料③)。

 

3 福井市議会が視察報告書、使い回し

 

 折しも、2015年度の福井市議会の政務活動費充当による県外視察において、26人もの議員が視察報告書を使い回している実態が報道されました(資料④)。旅費、宿泊費の領収書不要の視察に緊張感が伴うはずがないと、市民から批判が出ています。

4 福井県議会は旅費と宿泊費の実費精算を検討中

 

 一方、福井県議会においては、11月30日の議会改革検討会議において、政務活動費の運用見直しの協議が行われ、鉄道料金と宿泊費は全て領収書による実費精算とし、日当も廃止するたたき台が出されたと報道されました(資料⑤)。

 

 

5 福井市議会においても、政務活動費の領収書によらない支出を無くすべく、早急に見直されることを求めます。 以上

 

 

<添付資料>

 

①「政務活動費運用マニュアル改正の要望書」

 

② 同上(回答)(福市議第550号 平成261127日)

 

③「政務活動費に係る対応について」(総行行第198、経第22号/平成28930日)

 

④福井新聞 2016124日 (視察報告書使い回し)

 

⑤福井新聞 2016121日 (旅費実費精算を検討)

 

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