県議会に公務雑費の廃止を求める申入れ
公務雑費の廃止を求める申入れ
◆本日(2017年12月22日)、福井県議会議長にあてた標記の書面を提出しました。
今回の申入れは、11月に全議員に個々の住所宛に郵送した「公務雑費に関する公開質問状」の結果を踏まえたものです。
本件申入れについては、12月12日に議会事務局に連絡していましたが、提出日時が決まらない内に、12月定例会の最終日(19日)に開かれた議会改革検討会議において、公務雑費の廃止(来年度から)が決まりました(来年2月定例会に条例修正案提出)。
しかし、新聞報道によると「公務雑費がないと困るとの声が会派内にもあったが、全国の流れに遅れないようにする」(自民党議員)など、廃止に至った根拠があいまいです。公務雑費支給は不適切支出だと認識し直しての廃止であるのか、その点が分かりません。そこで、予定通り申入れを行い、さらに口頭で「過去の支給については自主返還すべきではないか…」と伝えてきました。
◇ ◇
1「申し入れの趣旨」
県議会において、速やかに公務雑費の廃止を決定することを求める。
2「申入れの理由」
(1)「公務雑費に関する公開質問状」実施
福井県議会は2008年2月に費用弁償に係る条例を改訂し、それまで、議員が本会議や委員会などに出席する時に、「日額旅費として、議員の自宅と県会議事堂の往復距離を4段階に分けた固定額(9800円~1万7200円)を支給していた」ものを、2008年4月から、「交通の実費と一日一律3千円の公務雑費」を支給する方式としました。
市民オンブズマン福井は2008年2月19日、この改訂を不当なものと考え、「交通の実費」のみの支給とするよう申入れ書を提出しましたが、改善は行われませんでした。
先の条例改正から10年を経たことから、この度、全ての県会議員に対し公務雑費についての認識、及び公務雑費が廃止されたら不都合が生じるのか否かの2点について公開質問を行ったところ、別紙資料のような回答が寄せられました。
(2)公開質問の回答
1)「質問1 議員にだけなぜ公務雑費の加算が必要なのか?」について
具体的で丁寧な回答がありましたが、「地方自治法の費用弁償として、議会活動に必要があるため条例に明記している」という、必ずしも質問の趣旨に沿っていない回答が目立ちました。いずれにしても、公務雑費の必要性を積極的に述べた回答はありませんでした。
2)「質問2 公務雑費が廃止された場合、不都合は生じるか?特に生じないか?」について
自民党議員25名は無回答でしたが、野党議員は全員「特に生じない」と回答し、「県議会で議論する」や「見直し」を求める意見が多数でした。この結果からすれば、公務雑費を廃止しても不都合は生じない事、少なくとも不都合が生じると明言した回答が無い以上、公務雑費を支給すべき根拠はないものと言えます。
(3)地方自治法違反の恐れ
上脇博之氏(神戸学院大法学部教授:憲法学)は、福井県議会の公務雑費について、地方自治法違反の恐れがあるとして、「費用弁償は公務のために実際にかかった費用を公費で負担する制度だから、実費支給が原則だ。その点、1日一律3千円と定める福井県議会の公務雑費は事実上の日当に相当し、形を変えた報酬だ。(略)公務雑費、宿泊費の定額支給は非常に問題であり、費用弁償の枠を超えている。条例の根拠となっている地方自治法に違反している可能性もある。」と述べています(2017年8月31日 福井新聞)。
私たちは、県議会が公務雑費の廃止に取り組まないのであれば、費用の実費と言えないばかりか、議員報酬との二重取りの疑いがある公務雑費は地方自治法に違反するとして、住民監査請求を検討したいと考えています。以上
<添付資料/「公務雑費に関する公開質問状」回答(一覧表)3枚>
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