「職務に関する働きかけの記録等取扱規程」見直しに関する意見書
2025年11月25日
福井市長 西行 茂様
市民オンブズマン福井
「職務に関する働きかけの記録等取扱規程」見直しに関する意見書
1 はじめに
当会は、「職務に関する働きかけの記録等取扱規程」の施行(2003年11月)以来、継続して記録票の開示請求を行ってきましたが、近年においては、「受付実績がなく、存在しないため」を理由とした「公文書非開示決定通知書」を受け取る事が多くなり、制度の形骸化を実感しています。
市長は、特別職2人が立件された事件について、市特別職職員等倫理委員会(以下、倫理委員会と言う。)の最終報告を基にした再発防止策を公表し、「職務に関する働きかけの記録等取扱規程」(以下、働きかけ規程と言う。)も見直す意向を表明されました。
全国市民オンブズマン連絡会議は、「働きかけ記録制度に関する全国調査」(2016年、2017年、2021年)を行っています。主な対象は都道府県、政令市、中核市で、福井市は2021年の調査対象です。この結果を踏まえ、働きかけ規程の見直しに関し、特に4つの観点について意見を述べるものです。
2 働きかけ規程の見直しに関する4つの観点
(1)働きかけ規程の条例化
全国市民オンブズマン連絡会議による「働きかけ記録制度にかかる全国調査(2021年7月1日現在)」(以下、全国調査と言う。)によると、62中核市中37市に働きかけ記録制度があり、うち15市が条例を制定しています。
記録件数については、条例に基づく制度の方が、条例以外に基づく制度より件数が多い傾向にあります。記録が条例で義務付けられることで、働きかけを記録するに際し、職員にかかる精神的な圧力が少なくなるのではないでしょうか。
働きかけ規程の条例化を検討してください。
(2)記録要件の見直し
記録件数に顕著な影響をもたらす要因には、記録要件も挙げられます。全国調査によると、37の中核市中、記録の要件を違法・不当な働きかけに限ると回答した16市においては、記録があったのは豊田市(33件)、吹田市(1件)のみでしたが、全てを記録すると回答した市の記録件数は、岐阜市8,672件、奈良市=299件などでした。
岐阜市の公式ホームページ「岐阜市職員の公正な職務の執行の確保に関する条例について」には、「岐阜市では、提言、要望等及び不当要求行為への対応について必要な事項を定めることで、提言、要望等については適正に対応し、不当要求行為については速やかに組織的な対処を行い、もって市政に対する市民の皆様からの信頼を確立することを目的として、平成29年3月24日に岐阜市職員の公正な職務の執行の確保に関する条例を制定し、平成29年7月1日から施行しました。(下線は当方)」とあります。
違法・不当な働きかけを記録すれば足りるという発想では、職員を委縮させてしまい、働きかけが正確に記録されることは期待できません。
不当要求行為のみでなく、市民の提言、要求をも記録することを検討してください。
(※)なお、福井市は全国調査に対し、すべてを記録すると回答していましたが、福井市の規程の記録の要件は、違法・不当な働きかけに限るものです。
(3)対応マニュアルの作成
倫理委員会は、「不当な働きかけがなされた場合の対応マニュアルを策定し、誰が、どのように対応していくのかの手続きをフロー化した上で、有事の場合にはこのマニュアルに沿って対応できるようにしておくべきである。」と提言しています(最終報告P29)。
名古屋市の「要望等記録制度運用マニュアル」を先進事例として参考にしてください。
(4)市民に制度を周知させる事
倫理委員会のアンケートでは、「事件の前から知っていた」と回答した職員は64%、さらに、「事件の前から知っていた」、又は「事件を機に知った」と回答した職員中の25%が理解不足等を自認しているとの結果でした(最終報告P23~24)。
福井市政のコンプライアンスに不信を抱かざるを得ません。
働きかけの記録制度を実効性のあるものにし、市民の信頼を得るためには、制度に対する職員の周知徹底はもとより、市民が制度の趣旨を知ることが必要です。
「岐阜市職員の公正な職務の執行の確保に関する条例」についての解説と直近2年間の報告件数を掲載している岐阜市の公式ホームページを先進事例として参考にしてください。
市民に制度を周知させる取り組みを検討してください。
以上


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